今度の決算は大丈夫? なぜ多くの人がAmazonに期待するのか!
1.はじめに
Amazonの人気が凄いですね。私のブログ(PVが少ない弱小ブログですが...)でも断トツでこちらのページが読まれています。
7月26日引け後がAmazonの2Qの決算発表になります。ここで一度立ち止まって、なぜAmazonの期待が高いのか?今度の決算発表ではどこに注目したら良いのかを自分なりに考えてみましたので、ブログにまとめておきたいと思います。
以下はアナリストでもなんでもない一個人投資家の主観的な考えになりますので、その旨ご了承下さい。
2.株価がブレイクし始めたきっかけは?
↑週足チャート
2017年10月26日に2017年3Qの決算発表がありました(赤矢印の部分)。そこから株価のブレイクが始まっています。
↑3Qでは売上成長率が今まで20%台だったのが、9ポイントも上昇して34%に跳ね上がっており、その後も売上成長率が上昇を続けています。ホールフーズを買収した効果が効いているのだと思いますが、それだけではないと思います。
↑Yahoo financeより
2017年3QよりEPSも予想を大きく上回って来るようになりました。
↑希薄化後EPSの推移
この日(Sep17=3Q)は売上は大きく伸びてましたが、EPSは前年同期比で成長はなかったです。しかし、次の四半期からEPSが大きく伸び始めまていました。
↑各利益の前年同期比の成長率ですが、直近2四半期の各利益の成長率(黄色部分)が前年(水色部分)と比較してぜんぜん違うのが分かると思います。
こんな訳で、投資家の期待が大きく膨らみ、株価が1.7倍まで上昇しているのだと思います。
3.Amazonで何が起きているのか?
↑年次ごとの売上高と売上高営業利益率と売上高純利益率の推移
Amazonの特徴はFAANGの中で利益率がダントツに低いことです。
17年は売上高$178Bに対して営業利益はたったの$4.1B、純利益は$3Bでした。
AmazonのECは価格も安いし、プライム会費をとっても沢山のビデオが見れたりして、サービスが良すぎるのでなかなか儲からないですよね。
また、同じプラットフォームで中古まで販売しており、私も高い投資本は必ず中古価格をチェックしてから買ってます。よって、Amazonは直販ECで利益を出すつもりはないと思いますね。
↑セグメントごとの売上高
直販EC=青色、マーケットプレイスの手数料収入=薄茶色、プライム会費や読み放題などの課金サービス=赤色、AWS=紫色、ホールフーズなどの実店舗=緑色、広告収入など=黒色、
Amazonの直販ECは儲かりませんので、利益の源泉は直販EC(青色)以外にあります。よく知られているのがAWSと呼ばれるクラウドサービス(紫色)です。決算資料によると営業利益率は24%(2018年1Q時点)です。それ以外のセグメントの利益率は公表されていませんが、直販ECよりも利益率は高いと思います。
↑各セグメントの売上成長率(前年同期比)
売上のメインである直販EC(青)の成長率がだんだん下がってきているのが驚きですね(笑)。
成長率が下がり続けていたAWS(紫)がまた盛り返してきているのと、広告収入がメインのOther(黒)が前回の決算で大きく伸びていたのが目を引きます。
総じて、直販EC以外は35%以上の高成長を続けています。
最近、Amazonで商品検索するとスポンサープロダクトと小さくかかれた商品がちょくちょく紛れ込んできます。これがAmazonのターゲティング広告です。写真はスノーピークという高級アウトドア用品メーカーの商品を検索したら、岩谷産業のガスバーナーが紛れ込んでました。
でも、口コミ数が396もあって評価が高い商品だと、目的外のものでもアウトドア好きならついついクリックして開いてしまうと思います。Amazonのターゲティング広告は効果が高いとの評判ですが、納得ですね。
Amazonの場合、自社のサイトでの広告表示ですので、Googleと違って場所代を払う必要がありません。よって、利益率はかなり高いはずですので、売上高に占める割合が低くても、薄利のAmazonの利益にはかなり貢献していると思います。
(ちなみに2018年1Qでは、全体の営業利益は$1.9B、広告収入が含まれるOtherの売上高は$2Bでした)
↑直販EC以外のセグメントの四半期ごとの売上高の推移(7月16日追記)
広告収入が含まれる黒のOtherの数字に今後も要注目です!
↑直販EC以外のセグメメントを合計した売上割合の推移
利益率が直販ECよりも高いその他のセグメントがしっかり伸びてきており、そのためにAmazonの利益もどんどん伸びているのだと思います。
4.まとめ
2018年2Q決算のアナリスト予想は、Yahoo financeのものだと以下のとおりです。
EPS $2.5(1.53〜3.09)
売上高 $53.42B(52.52B〜54.09B)
(前年同期比+40.7%)
(以下、2で掲載したものを再掲します)
まあ、直近の成長率を見る限り、妥当なコンセンサス予想だと思いますので、無事クリアしてくれるでしょうが、どうなるか今からドキドキしますね。
↑Amazonといえば、プレゼンテーション資料の最初に必ずこの文句が入っているのが特徴です。意味は「長期目標はフリーキャッシュフローを最大限利用する」。儲けはどんどん設備投資や研究開発費に投資するよということですので、裏を返せばEPSは気にしていないということです。
(ちなみにベゾスの夢は、将来地球が汚染されて住めなくなった時のために、宇宙コロニーを作ることです、笑。ベゾスが個人で所有している宇宙開発会社Blue Originは、来年一般人の宇宙旅行を実施するようですね)
たとえ、決算をしくじって株価が大きく下げたとしても、利益の源泉である直販EC以外のセグメントの成長に大きな変化がなければ問題ないと思います。
私はEBITDAの成長率に注目しています。
悪くても前年同期比+30%以上はキープしていてほしいですね。数字だと$4.47B以上。この意味がわからない人は、よろしければこのページの最初に紹介した私の過去のブログ記事を見て下さい。
Amazon - Investor Relations - Quarterly Results
こちらのサイトで四半期の決算資料が手に入ります。セグメントごとの数字は10QではないFinancial Resultという資料の最後の方に出てきます。
用いた数字について、セグメントごとの売上はAmazonの資料より、その他の数字はGurufocusのものを用いてます。数字に間違いがないように気をつけていますが、絶対ではありません。素人の一個人が書いたものですので、内容に保証はできません。投資は自己責任 でお願いします。
現在のポートフォリオと今後の見通し
1.はじめに
2018年も後半戦に入りました。個人的にはファクトセットなどが出している今後の利益成長率予想を見る限り、米国株は2018年1月末がピークだったと思っております。今後は相場も何かにつけてボラリティが高くなると思いますので、短期的な流れに惑わされないためにも、ここで現在の私のポートフォリオについて、今後の見通しをまとめておきたいと思います。なお、私の投資スタンスは中長期投資になります。
2.現在の保有株状況と収益率
↑ブログでは小型成長株をメインに取り上げていますが、保有株の28%は石油株です。
↑私のパフォーマンスの状況です。自慢できる成績ではありませんね(笑)。
原油価格が$50を切り始めた2015年10月からエクソン株(XOM)を買い始め、昨年はBPを買いました。その後原油価格は結構上昇し、BPは目論見通りの利益を上げていますが、エクソンは全然駄目です。シェールオイル企業を潰すために原油価格の下落を増産で補うチキンレースが失敗に終わって、OPEC諸国が協調減産が一番儲かると学習してくれたため、今後も原油価格は現在の価格前後で安定すると思いますので、引き続き保有していきます。現在は他のグロース株が下げた時に上がったりしてスタビライザー的な役割をしてくれています。
もう一つ特筆しなけらばならないのは、ドイツ銀行(DB)ですね。昨年1兆円にのぼる増資に成功した後に底値だと思って買い始めましたが、その後改革が上手く進まず低迷しており、株価も更に40%以上下がっております。個人的にはここが底だと思っていますので、投げずに保有を続けております(投資本によく書いてある駄目なパターンですね、笑)
3.特に期待している銘柄
(1)Amazon(AMZN)
Amazonを保有している理由は今後の利益成長を期待しているからです。
↑2018年Q1の決算で示された各セグメントごとの売上成長率です。
オンラインセールス(ピンク)の成長率は低くて、それ以外のセグメントの成長率が断然高いのが特徴です。
↑私が勝手に予想した3年後(2021年Q1、右側)の営業利益予想です。
3年後には営業利益率が3.7%→11%まで上昇すると予想しています(笑)。
各セグメントごとの利益率が公表されていないので、自分で想像するしかないのですが、各セグメントごとの成長率を過去の推移から見て今後3年間を予想して、計算してみました。大きく外すと自分が損をしますので一応、控えめに予想してあります。
現在のAmazonの株価は割高感があって上値が重い展開が続いており、今後の決算次第では大きく調整する展開もあるかと思っています(Amazonはかつて予想を大きく下回るEPSを出して何度も投資家を失望させて来た)。そんな時に保有し続けるかどうかの判断資料となるように、このような予想を立てています。
ちなみに、3年後私の予想どおりになったら営業利益は今の5倍になります。一応、以下の私のAmazon3部作のとおり、ある程度勉強した上での予想となりますので、無茶苦茶な予想ではないと思ってますがどうなるでしょうか(笑)。
↑週足チャート
(2)ロク(ROKU)
動画ストリーミングプラットフォームでAmazon Fire TVやGoogle chrome castを押さえて全米シェアNo1をキープしているROKUです。
ですが、AmazonとGoogleがライバルですので、投資家の期待感が低くGurufocusで見た現在のPERは17倍です(2018年7月7日現在)。
一つのプラットフォームでネットフリックスやAmazonプライムビデオなど沢山の動画が見れるのですが(もちろんそれらは有料)、ROKU channelという無料チャンネルを作ってTVのように動画広告を途中で流すチャンネルが大きな収益源となってきており、以下の業績を見ると期待感が高まります。
↑アクティブアカウントの推移
↑ストリーミング時間の推移
↑ユーザー当たりの売上の推移
↑週足チャート。IPO後の新高値を奪還すべく上昇中。
(3)アビオメッド社(ABMD)
画期的な新製品(インペラというカテーテル型の人工補助心臓)で業績が大きく伸びている人工心臓の老舗企業です。
↑インペラとはどんな物か知りたい方はこちらのHPに動画がありますので、ご覧になって下さい。
心筋梗塞などで倒れた時など、心臓の手術の際に使用されます。
現在はアメリカとドイツで主に使われています。日本では今年から本格的に販売されています。ドイツ以外の西欧諸国や中国、インドでも保健当局から承認は得られていますので、まだまだ売上は伸びると思いますが、その分投資家の期待も高くPERは165倍です(2018年7月7日現在)。このタイプの人工補助心臓をアビオメッドが発表したのは2008年頃ですが、その後ライバル製品が現れないのが不思議です。構造は単純そうですが意外と難しいのかもしれませんね。
↑業績の推移です。売上はもとより営業利益率が伸びてます。
↑過去5年間と1年間の各成長率です。素晴らしい成長率です!
↑割高な株価ですが、私はこのように過去の成長率から5年後のEPSを予想して、そこに控えめなPERを掛けて株価を予想してリスクとリターンを計算した上で今年の4月に買いました。その後素晴らしい決算を発表して株価がさらにブレイクし、もっと自信持って買っとけばと後悔しております(笑)。
↑週足チャート
4.その他の銘柄について
(1)ニュータニックス社(NTNX)
企業のITインフラ関連のハードとソフトを提供している会社で、以前はHyper-Converged Infrastructureと呼ばれる仮想化のソフトをセットにした機器をメインで販売していましたが、利益率低下を嫌ってソフトメインのSaaSへシフトし、利益率が向上してきました。他のSaaS企業と比べて成長している割にまだ割安感があるので買いました。
↑前回の決算内容は良くなかったですが、Conference Callによると半年ごとのプロジェクトを敷いているようなので次回の決算に期待してます。
↑日足チャート
(2)スプランク(SPLK)
私の師匠がスプランク安いよねと言っていたので、昨日のタイミングで買いました(笑)。PSRで10.6倍です(2018年7月7日現在)。
↑日足チャート、ボックスの下限を形成したと思い出動しました。
↑いつも参考にさせて頂いているアメリカ部さんの記事によると、セキュリティー分野とデータ分析という今後も成長が期待できる分野でリーディング的な位置にいる企業であり、かつFCFが十分ありますので、相場環境が悪化しても小型グロース株の中では下落耐性があるかなと思って保有しました。
(3)ドイツ銀行(DB)
潰れてEUに大混乱を起こすのではないかと噂されている欧州第2位の銀行ですが、決算内容を見る限りそこまで悪くないと思って保有し続けています。一応この春に3分の1は損切してます。
中国のHNA(海航集団)の王健会長が転落死 ヒルトン、ドイツ銀はどうなる? - Market Hack
↑先日このドイツ銀行の大株主である中国企業の社長が死んだニュースが出た時は、大幅下落するのではないかとドキドキしましたが、なぜかその後、株価は大幅に上昇しました。
JPモルガンと中国の銀行がドイツ銀行株を引き受けるとの噂が出たためですが、昨日JPモルガンは否定の声明を出してます。しかし、その後も株価はあまり下がらず結局+3%で引けました。なぜでしょうか?
私の個人的な予想だとそろそろドイツ政府が動くのではないかという期待感が出てきたのではないかと感じてますが、どうなのでしょうか(笑)?
↑日足チャート
5.まとめ
今後、市場環境が厳しくなると見て、成長分野でリーディング的な企業をできるだけ安く買うことを心がけています。Amazonとアビオメッド社は、今後の利益成長を自分なりにシュミレーションして割高でも買いました。ボラリティが高くなると自分の信念が問われますので、振るい落とされないためには、これから増々企業分析の努力が大事になってくると思います。
また、キャッシュポジションを一定割合持つことも心がけています。今年は貯めた日本円もドル転せずにとってあり、今後大幅な円高が来た時にドル転しようと思っています。キャッシュがあると相場が大きく下げた時に「買い場が来た!」と思えて、精神衛生上、非常に助かります。
まあ、こんな感じで成長株に偏らないように、不景気にも強いと言われる石油株も一定割合保有しつつ、できるだけ安全運転を心がけて、これからも米国株の世界で生き残って行きたいと思います。
ここで掲載している業績や予想の数字は間違いがないよに気をつけていますが、絶対ではありません。投資は自己責任でお願いします。
混迷のアドテク業界から一つ抜け出したThe Trade Desk社
(1)はじめに
私事ですが、もう10年近くテレビを持ってません。たまに実家に帰った時にテレビを付けますが、つまらなくて暫くして消してしまいます。家ではもっぱらAmazon Primeで米国のドラマ見てます。
今ハマっているのはこれです。画期的なファイル圧縮技術を開発した青年が会社を立ち上げるドタバタ劇を下ネタ満載のコメディドラマに仕立てたもので、面白い上にスタートアップ企業が直面する様々な問題が盛り込まれていて、投資家目線でもとても参考になります。
このように消費者の行動が変われば、広告を出す場所も変わるわけで、IDCの調査によると2017年のデジタル広告は12%の伸びで、その中でもプログラマティック広告は+28%だそうです。見ている人の属性を細かく分けて、その人が興味を持っている分野の広告をピンポイントで打てるのはかなり効果的ですよね。
ネット広告には、広告場所を提供する側のプラットフォームと(SSP)と広告主に広告場所を分配するプラットフォーム(DSP)の2つのプラットフォームがあります。
例えば私があるサイトに入れば、SSPを通じてDSP側へ広告出稿のリクエストが私の情報と共に入ります。私に対して広告を見せたい出稿者がオークションにより決められ、そのサイトに広告が表示されます。ほんの短時間のうちにこれだけのことが行われているようです。
私が興味を持っている分野の広告をどれだけの出せるか、また、広告出稿者が希望する属性の人にどれだけ広告を出せるか、Advertising Technology(アドテク)企業の技術が大きく左右します。
そんなアドテク業界では様々な企業が乱立しました。しかし、最近はその技術革新が頭打ちとなり、まだアドフラウドと呼ばれる不正(だれも見ていないサイトに広告を配信して広告収入を上げること)問題などもあり、アドテク業界の成長は一旦止まって、主な企業の株価が低迷しました。
↑上場しているルビコンプロジェクトというアドテク企業の週足チャート
低迷した原因の一つに、アドテク社がSSPとDSPの両方を抱えて、自社が抑えている広告スペースに引きづられて、広告出稿者にとってベストな広告スペースを提供できない問題がありました。
そんな状況のアドテク業界で、5月に目がさめるような決算発表を行い、株価がブレイクしている企業があります。
今回、このThe Trade Desk(TTD)という会社について調べてみました。
(2)The Trade Desk社とは?
The Trade Desk社(以下、TTD社)は自社の立ち位置をDSPオンリーにして、一方的な技術開発に専念し花が開きました。
例えば、いろいろな条件の広告スペースに簡単に沢山の広告を打てる技術を開発し、その広告効果をすばやくフィードバックすることで、効果的な広告戦略を打てるようにしたり、広告主が持つ顧客情報を分析して効果的なデジタル広告を打つ技術などを売りにしています。
また、広告スペースを持ってないため、広告主にとってベストなオムニチャンネル戦略を提案できるとともに、世界20カ国に支店があり、企業のグローバルな広告戦略にも対応できる強みがあります。マツダが今TTD社を利用しているようです。
↓こちらの記事によるとDSP市場はGoogleとAmazonの2強が圧倒的な人気度で、他のDSPアドテク企業を追いやっているようです。その二極化市場の中で、唯一シェアを落とさずに頑張っているのはTTD社になります。
↓TTD社は2017年9月にコネクテッドTV向けのターゲティング機能をリリースしましたが、この前の決算ではそれが前年同期比21倍という凄い勢いで伸びてました。
↓前回のQ1 2018決算ですが、コネクテッドTV分野以外にもモバイルビデオ分野+100%、モバイルIn-App分野+100%、オーディオ分野+650%と凄い伸びを見せておりました。この数字を見ると、この会社の技術力は凄いのかなと思いますね。
Mobile Video grew nearly 100% from Q12017 to Q12018
Mobile In-App grew nearly 100% from Q12017 to Q12018Connected TV grew over 2,000% from Q12017 to Q12018
Audio grew over 650% from Q12017 to Q12018
↑この数字も Connected TVの2,000%は間違いないのですが、企業のHPとearning callの内容が記載されたプレゼンテーション資料で、上の2つの数字が違うのが気になりました。今回は低い方の数字を引用しました。
(3)業績の推移
※数字はすべてGuru focusより引用
↑売上成長率も年々落ちてきますが、まだ+52%あります。
↑四半期ごとの売上成長率(前年同期比)ですが、今年のQ1では41.8%→60.6%へ久々に急上昇してましたね。この傾向が続くかどうかが大きなポイントです。
↑売上に占める各営業費用の割合。Sales Marketing費用の割合(水色)が下がってきているのはいい傾向だと思いますが、全体の営業費用の割合(赤線)は、技術開発や管理費の割合が伸びているため、上昇傾向にあります。
↑EPS(希薄化後)の推移です。TTMは直近連続12ヶ月の意味になります。
↑四半期ごとのEPS(希薄化後)の推移です。
(4)まとめ
前々回で取り上げたROKUについて調べている時に、アドテク企業のTTD社について知り、とても気になっていました。ad technologyは専門用語が難しくて、途中で調べるのを諦めましたが、今回じっくり研究してみました。
日本でもアドテク企業は沢山あり群雄割拠の分野で、その中にはGoogle、FB、Amazonという巨塔も含まれる非常に競争が激しいセクターです。しかし、個人情報の問題やフェイクニュース、アドフラウドなど様々な問題を抱えているセクターでもあります。
企業がブランド戦略を行う上で、どのHP上に広告を出すかは非常に重要ですが、今まで出稿した広告がどのサイトに乗せられているか広告主が分からないなど、技術的に未熟な所がありました。広告場所を提供するSSPを抱えているアドテク企業では、どうしてもそのような面が生まれてきてしまいます。
そのようなアドテク業界の中で、広告主の立場に立ってDSPを提供することに専念して、優れた技術的を磨いてきたTTD社は、Q1 2018決算において、下落傾向であった売上成長率を見事に復活させて、再び売上成長率を伸ばしてきました。セグメント別ではコネクテッドTVが前年同期比21倍と驚異的な伸び示したのが、目を引きました。
この企業が残念なのは業績開示が不親切なことです。大概の成長企業はプレゼンテーション資料で業績をグラフ等で表して、自社が成長していることをアピールしているのですが、この企業にはそのようなものがありません。各セグメント別の売上等も開示されていないので、コネクテッドTV分野が今後の売上成長にどれほど影響を与えるのか分かりません。
今まで成長率が鈍化傾向だったので、そのようなアピールが出来なかったからかもしれませんので、Q2以降の動向に注目したいと思います。ちなみに、Q1でのガイダンスは以下のとおりで、Q2の売上成長率は前年同期比で+41%です。Q1の+61%を大幅に下回ってしまいますが、保守的なガイダンスで蓋を開けてみたらビックリになる期待感もあります。ただ、PERが70倍以上あってこの業績の成長率にしては割高感もありますので、どちらにしてもQ2まで様子を見ても遅くはないと思います。
Second Quarter 2018:
- Revenue of
$103 million - Adjusted EBITDA of
$30 million Full Year 2018
- Revenue of at least
$433 million - Adjusted EBITDA of
$133 million or about 30.5% of revenue
このような企業分析のブログを書くのに非常に時間がかかります。でも、ブログでまとめるといろいろなことが気になって、最終的に多面から分析することになり、投資判断の精度が確実に上がると思います。ブログにまとめる前はこの企業の株を買う気満々でしたが、最後まとめを書いている時に、やっぱり微妙だなという気持ちになって、様子見することにしました。さて、結果はどうなりますかな?
AI時代に期待される革新的なストレージで急速に伸びているPure Storage社
(1)はじめに
成長株に投資する際に気をつけなければならないのは、高値掴みをしないことです。だれが見ても良い銘柄はバリエーションがすでに高くなっています。成長株で割安な銘柄を見つけるのは大変ですが、今回私の師匠よりPure Storage社(PSTG)が急成長している割にはとても割安だと教えていただきましたので、調べてみました。割安に放置されている成長株の場合、みんなに気づかれていないか、もしくは何か懸念事項があるかのどちらかだと思います。前者を見事に掴めば大成功、後者を掴めば大失敗とハイリスク・ハイリターンな投資になりますので、時間をかけて調べてみましたが、大した懸念事項もなさそうでしたので、今回ブログにまとめてみました。
(週足チャート)
(2)Pure Storage社とは?
オールフラッシュのストレージを提供している会社で、データの出し入れのスピートはもとより圧縮や重複排除技術に定評があります。
↑Gartner 2017 Magic Quadrant for Solid-State Arrays
Gartner社の2017年の評価では、Solid State Array部門(SSDを整列させた大規模記憶装置という意味)でPure社はもっともリーダー的な企業として評価されていました。4年連続だそうです。
https://www.purestorage.com/jp/microsites/gartner-mq-2017.html
オールフラッシュは速さが大きな特徴ですが値段が高価で、またエラーが発生しやすく、書き込み回数にも制限があるというデメリットがありました。Pure社はそこにブレークスルーを起こし、従来のHDDストレージと同程度の価格で、より早く、同じ容量でも圧倒的に設置スペースが少ない製品を売り出しました。
エラーが発生しやすい点については、ストレージOSでカバーする仕組みを他社に先駆けて開発し、書き込み回数にも制限がある点についても、業界トップレベルのデータの重複排除と圧縮技術により、SSDへの書き込みを徹底的に削減し、SSDの寿命を延ばしています。
Pure社の保守サポートも画期的で、保守費用が年々上がらず、ずっと一定料金で使えるサービスを提供しています。Pure社のストレージOSが異なるSSDを混在させても制御できるから、このような一定料金のサービスを提供できるようです。
低価格で10年使えるオールフラッシュストレージの秘密を徹底解説
ビッグデータを扱って、ディープラーニングを行う分野では、Pure社のような高速なストレージが向いており、NVIDIAと提携してAIRI AI ソリューションという一体型のAI向けインフラストラクチャを提供していることです。
PURE STORAGE と NVIDIA による統合ソリューション ― AI の大規模運用を可能に
(Pure Storage社HPより引用)
つまり、Pure Storage社はAIというゴールドラッシュが起きようとしている時に、NVIDIAと並んでスコップやツルハシを提供している会社になります。(NvidiaはPure社のライバルであるNetApp社と組んで同様な製品を出してますので、Pure社だけと組んでいるわけではありません)
あらゆるところにセンサーが張り巡らされ、IOT時代になると今以上に膨大なデータが蓄積、AI等で解析され活用されるようになります。メルセデスのF1チームでPure社のストレージを使っていますが、車体にとりつけられたセンサーから得られる、空気の流れやタイヤの温度といった様々なデータを、レースの限られた時間の中で分析しなければならないスピード感が要求される現場でPure社の高速ストレージが活躍しています。AIのディープラーニングの分野では高性能のGPUが登場したことにより、データを保管しているストレージのスピードがボトルネックとなっていましたが、ここでもPure社のストレージが優位に立っています。
先のガートナー社の調査で上位に来ていた企業の売上成長率を比較してみました。この中でNetApp社がPure社と同じストレージ専門企業ですが、ここ3年間、売上があまり成長していませんね。Pure社の成長率が際立っています。如何に革新的な製品を出しているか、ここから伺えます。
(3)どれくらい割安なの?
クラウド関連のインフラ的ソフトウェアを提供しているNutanixと、年間の売上高をはじめ、3年間の売上成長率やグロスマージン、FCFマージンが似ていましたので、比較してみました。両者とも3年間のトータル売上成長率が年率80%もありますが(最近は両社とも40%まで落ちてきています)、まだ赤字企業ですのでPSRで比較すると、Nutanixが9.93倍、Pure社が4.94倍でNutanixの半分のバリエーションでした。しかも、Net MarginはNutanixの方が赤字幅が大きいです。
Nutanixは今人気のSaaS企業(サブスクリプション型のソフト企業)、Pure Storageはハード企業になりまりますので、Nutanixの方がバリエーションが高くなるのは分かりますが、それにしても成長率とグロスマージンが高いわりにはPura Storageは評価されていないような気がします。
ちなみに同業他社比較では、PSR5倍で断トツですが、売上成長率を加味すると、とても割高だとは言えなさそうですね。
(4)業績の推移
↑2年前からの四半期ごとの売上の推移です。売上に季節性があり、Q1が低くてQ4が一番高くなっています。
↑四半期ごとの売上成長率(前年同期比)です。一番右のApr2018をFY19 Q1と読み替えて遡って下さい。成長率も下げ止まって、前回の決算では31%→40%と成長率が伸びていました。昨年同様、この先も成長率が伸びていくかどうかが一つのポイントだと思います。
↑ハード企業の割にはグロスマージン(黒の折れ線グラフ)が65%以上をキープしているのが凄いと思います。この企業の特徴の一つです。
↑営業利益(NonGAAP)の推移です。昨年はQ3、Q4において黒字化し、今年のQ1は昨年に比べて赤字幅が縮小していました。この先Q2、Q3と続くに連れて右肩上り具合がどれほどになるか注目すべきポイントの一つです。
↑FCF(NonGAAP)の推移ですが、下は特別項目(訴訟関連費用)を抜いた数字になります。特別項目を抜けば今年のQ1も黒字化していましたね。この数字も評価されるポイントの一つです。
↑売上に占める各営業費用の割合の推移ですが、前年同期比で着実に下がっていっています。よい傾向ですね。
負債関係では、今年のQ1に$430Mの転換社債を発行し、はじめての大規模な長期負債が発生しましたが、DEレシオは0.68倍と大したことはありません。Current ratioも4倍以上あり、資金繰りも問題ありません。
https://s21.q4cdn.com/687136699/files/doc_presentations/2018/Earnings-Slides-(Q1-FY19)-PDF.pdf
(Q1 2018決算プレゼンテーション資料)
(5)まとめ
今回、革新的なオールフラッシュによるストレージを販売して、同業他社に比べて大きく売上を伸ばしているPure社についてまとめてみました。スピードが早く、データ圧縮性能も高くて従来よりも省スペースでしかも低価格。業界の常識を破る定額制の保守サービスも提供し、ストレージ分野で革命を起こしている企業です。Dell、IMB、HPEから追われる立場ですが、AI技術が発達するに連れ、データの重要性が増々高まり、データの蓄積量も今後大きく伸びることが期待されますので、今後も成長を続ける注目すべき企業だと思います。
そして成長率、粗利益率(グロスマージン)を考慮すると、他の分野の企業と比較したら割安感があると思います。ハードは儲からないというイメージがあるからでしょうか。
最後に余談ですが、SDDはフラッシュメモリがベースで構成されており、フラッシュメモリは東芝が発明したものです。ITのハード関連は日本の得意分野だと思いますが、AI時代にこれから増々必要とされるオールフラッシュストレージ分野で、ガートナー社の評価において日本の企業が上位に来ていないのがなんとも寂しい限りです。
2018.6.16追記
Q1 2018の決算で発表された次期のガイダンスです。
急成長のconnected TV digital adsで恩恵を受けるROKU 株価のブレイクはこれから?
1.はじめに
5月10日に広告会社にDSPを販売しているThe Trade Desk社(TTD)の決算発表がありました。(DSPの意味については以下を参照して下さい)
いまさら聞けない「DSPとは?」~基礎知識編~ | Urumo!
この会社自体も急成長しているのですが、その中で目を引いたのは、以下の赤字の部分です。
Mobile Video grew nearly 160% from Q12017 to Q12018
Mobile In-App grew nearly 110% from Q12017 to Q12018Connected TV grew over 2,000% from Q12017 to Q12018
Audio grew over 650% from Q12017 to Q12018
Press Releases | Investor Relations | The Trade Desk
Connected TVの広告枠の売上が凄く伸びてます。今FBを始め、いろいろなサイトで動画広告が流れますが、一番効果的なのはストリーミングTVではないでしょうか。特にアカウントでその人の属性や好みが分かってますので、従来のTVのように時間帯に関係なく、常にベストな広告を流すことができます。それにしても、前年比で21倍の伸びという数字は凄いですね。
2.Media Streamerで人気を誇るROKU
日本ではGoogleのクロームキャストやAmazon Fire TV、Apple TVなどがありますが、米国で人気を誇っているのはROKUです。
多数のチャンネルを見られるのが、ROKUの魅力の一つです。
↑これは見られるチャンネルのごく一部で、ROKUのサイトを見るとインド映画はもちろんのこと、インドのNEWS専門チャンネルとかマニアックな分野までカバーしていました。
もちろんROKUでネットフリックスを見ようと思ったら別途料金を支払う必要はあるのですが、このように一つのディバイスで多数のチャンネルが見れるようにすることで、米国においてストリーミングTVのプラットフォームを築き上げて来ました。
↑アクティブアカウント数の推移ですが、ここ3四半期では前年同期比+約45%前後のペースで伸びています。
↑ストリーミング時間の推移ですが、同様に+55%位のペースで伸びています。
↑1ユーザー当たりの売上(ARPU)の推移ですが、前年同期比の伸びが右肩上がりで乗りに乗っている感じですね。
3.ROKUの収益源と業績の推移
昨年の秋には、無料で映画が見れる代わりに、従来のTV映画のように途中で広告が入るROKU独自のチャンネルを始めるなど、着々とプラットフォームからの広告収入を増やしてきています。
↑Q4はクリスマスの影響がありましたので装置の販売も伸びてましたが、18年のQ1では装置の売上を広告等の売上が上回りました(装置の売上に関しては競争が激しいため価格が低下していて、売上が前年同期比でマイナスになっている影響もあります)。
↑Gross profit(粗利)では断然、青の広告等の方が多いですね。広告等のグロスマージンは7割以上あります。
↑全体のグロスマージンは18年Q1で46.2%まで上昇していました。
↑各営業費用の売上に占める割合の推移です。ライバルとの競争度合いを計り知ることができるSales and Marketing費用(緑)の割合は、ほぼ横ばいですね(Q4はクリスマスの影響で一時的に売上が伸びていた関係で、各割合は減っています)。
↑もうすぐクリスマスシーズン以外の季節でも黒字化しそうな所まで来ています。
↑希薄化後EPSも同様です。
4.まとめ
急速な成長が始まったConnected TV分野における広告において、動画配信サイトで今一番注目されているネットフリックスは広告を入れてませんので、いい位置にいるのがROKUだと思います。前回の決算を見る限り、その傾向が見て取れます。
昨年の秋のIPO後、株価は一旦ブレイクした後、空売りで有名なシトロン・リサーチ の空売り宣言のせいで、一旦大きく下げました。そのシトロンが先週の金曜日に、空売りをやめてロングに入ったとツイートして、株価は7%あまり上昇して復活のきっかけを掴みつつあります。
www.nikkei.com(有料会員限定記事になります)
また、日経の記事には、シトロンがネットフリックスがロクを買収する可能性にも言及したと書かれています。AT&Tも動画配信を目論んでいるようですが、後参入組にとってみたらROKUは喉から手が出るほどほしい会社なのではないでしょうか。
ネットフリックスは「三日天下」か (写真=ロイター) :日本経済新聞(有料会員限定記事になります)
ただ、現状はAmazonやGoogle、Appleなどの巨大企業から追い上げられている立場にあるので、その後の株価の動きは微妙な感じです。
非常に沢山の動画プラットフォームが出来て、チャンネル争いは激しさを増しています。これを書いている現在(5月31日未明)も中国の動画配信サイトのiQiyi(IQ)が8%以上の上昇をしています。その中で、ROKUは多数の動画配信サイトを束ねて一つのプラットフォームで見れるという美味しい立ち位置の分野で、AmazonやGoogleを抑えてトップの位置におり、急速にアクティブアカウント数、ストリーミング時間数、ユーザー当たりの売上を伸ばしています。
しかも、直近の12ヶ月のEPSを合計して計算したPERは14倍、PSRは1.37倍と注目されている分野で急成長している割にはかなり割安なので、私は非常に期待しているのですが、その割には株価の動きがもっさいりしています。私の目論見は間違っているのでしょうか?
なにか落とし穴があるのかな(笑)
https://ir.roku.com/static-files/8b04826b-95a6-49c4-82a6-c3e6ffa30f25
(↑ROKUの18年Q1の決算資料)
SaaS企業でまだ割安感があるNutanixの決算(Q3 2018)内容と今後の見通し
1.なぜNutanixに注目しているのか?
ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャー(HCI)技術の世界的リーディングカンパニーだったNutanixは、この分野の競争激化と利幅の減少を嫌って、オンプレミスやパブリッククラウドとプライベートクラウドの境界線をぶち壊し、ITタスクにおける複雑さを排除しシンプルな操作性を提供しコスト削減するサブスクリプション型のソフトウェア企業へ移行しつつあります。
(アメリカ部さんより引用)
ニュータニックス【NTNX】ハイパーコンバージドインフラストラクチャーからエンタープライズクラウド企業へ成長
↑2018年5月27日、Gurufocusにて作成。今回のNutanixの決算内容はまだ反映されていません。
まだ赤字企業が大半を占めるSaaS企業のバリエーション比較に私はPSR(株価/一株当たりの売上高)を用いていますが、Nutanixは売上成長率が高い割にはPSRが一番低く、全体的に割高感があるSaaS企業の中で一番割安感があるため、私は注目しています。(ちなみにYahoo financeでは9.16倍となっていました)
2.Q3 2018の決算内容
↑SeekingALPHAより引用
売上はコンセンサスをクリアしましたが、EPSが0.02ほど下回りました。またQ4のガイダンスも売上はコンセンサス以上ですが、EPSが下回ってました。
↑決算発表後の株価の反応は、5月24日の引け後に発表された後は−5%ほど下げましたが、翌日の寄り付きではもとに戻して一旦は買われましたが、結局−5%で終わりました。
決算の詳細は以下のプレゼンテーションを見ていただくとして、気になった部分を載せていきます。
http://s21.q4cdn.com/380967694/files/doc_financials/2018/Q3-FY2018-Investor-Presentation_FINAL.pdf
↑売上成長率が落ちてきていました。しかし、Earning Callで季節的にQ1とQ3は芳しくないと発言していましたので、Q4がどうなるか注目ですね。
↑最大のコストであるSales Marketing費用ですが、売上に占める割合が今回は伸びてました。これがEPSがコンセンサスを下回った要因だと思いますが、企業向けのソフトウェアの場合、競争が激しいのでSales費用が増えてしまうのは、仕方がないかなと思います。
↑顧客数の成長率です。SaaS企業の場合、顧客の増加がそのまま売上成長率につながるので注目していますが、だんだん落ちてきています。
ただ、Nutanixの場合、グローバル2000と呼んでいる世界的な大企業を顧客にすることに力を入れているので、それほど心配ないかなと思います。
↑グローバル2000企業のうち、すでに670社を顧客にしたようですね。
日本だと東証もNutanixのシステムを採用しています。
Tokyo Stock Exchange | Nutanix
↑SaaS企業でよく出てくるコホートですが、FY12年に顧客となった層からの再契約数(多分金額ベースだと思われます)はちょっとずつ上がってます。ソフトウェアはスイッチングコストも高いので、年々このように売上が積み上がっていくのがSaaS企業の魅力ですね。
↑Non-GAAPでの数字ですが、今回グロスマージンが68%まで上がってましたが、営業利益率は-12%までダウンしてました。
3.今後の見通し
来週以降どのような株価の動きになるか分かりませんが、6ヶ月ごとのミッションを組んでいるため、Q1とQ3は減速した数字になるとの会社側の説明でした。よって、このままホールドして来期の数字に注目したいと思います。
SaaS企業の場合、ソフトウェアの評判が良ければ、スイッチングコストが高いためリテンション率が高く、そう簡単に売上は落ちなさそうです。問題は競争が激しい分野だとSales費用が嵩んで利益が伸びないことでしょうか。長期的な視点を持った株主が多ければいいのですが、SaaS企業は全般的にバリエーションも高いため、短期的に売られる展開になりやすそうです。
前回このブログで取り上げたAppFolioやこちらのニューレリック社なんかは売上に占めるSales費用の割合が下がってきています。その分野での優位的な地位を築いていることが伺え、安定的な利益成長が確実視できそうですが、バリエーションが高いので(PSRが約13倍と15倍)、株価的にはそれはそれでリスクがありそうです。
私はバリエーションでNutanix社の株に期待していますが、どちらの企業の方がよいのか、正直迷っているところです。
気になった米国小型株の銘柄調査(賃貸不動産管理システムをSaaSで提供するAppFolio)
1.はじめに
AppFolio(APPF)は賃貸物件管理用のシステムをSaaSで提供している会社です。2012年には法律事務所向けのシステム会社を買収して、2つのサービスを提供しています。
メインは不動産の方で、不動産業者が必要とするあらゆるサービスをシステム内に盛り込んであり、物件紹介から近隣の賃料比較ツール、物件広告サイトへの投稿、そしてオンラインで賃貸契約できるシステムまで提供しています。
アメリカ部さんのサイトで業務内容が詳しく説明されています。
↓2006年創業で、2015年にIPOされて株価はこのような感じで伸びています。
(APPFの週足チャート)
2.業績の推移
(単位:$millions)
↑昨年にFCFが黒字化しました。
↑昨年からEPSも黒字化してます。
↑しかし、売上高の対前年比の成長率は落ちてきています。
↑顧客数の推移です。
↑顧客数の成長率です。過去3年間、過去2年間、過去1年間で計算すると成長率は落ちてきています。
↑四半期ごとの不動産部門の顧客数の成長率(前年同期比)の推移です。2018年3月期の成長率は1年前に比べて18.7%→14.9%へ下がってますね。
↑2015年12月期からの四半期ごとの売上成長率です。毎月課金のSaaSなので顧客が増えるに応じて売上も順調に伸びていきます。
↑こちらは四半期ごとのEPS(希薄化後)の推移です。
↑2018年3月期の四半期における売上の内訳ですが、Value+serviceと表現されているプラスαのサービスの売上の方が高く、売上の伸びも39%とコアサービスの24%よりも高くなっています。
↑売上に占めるセールスとマーケティング費用が22.1%→17.5%へ下がってきています。一番のコストであるこの分野の割合が下がってきているのは、注目すべきポイントですね。
↑同様に販売管理費の割合も15%→12.6%へ下がってきています。
↑研究開発費は11.3%→12.6%へやや増加しています。理由はValue+サービスの開発費が伸びているからです。
3.バリュエーション
(2018年5月20日時点でのデータ、Gurufocusより引用)
↑主なSaaS企業で比較してみましたが、利益は伸びてきていますが、顧客数の伸びが落ちてきている中で、同様の傾向がある給与人材管理システム企業のPaycom(PAYC)と比較した場合、PAYCの方がOperating Margin、Net Margin、FCF Margin、ROEが優れているのに、PERやEV-to-EBITDAのバリュエーションを表す指標はAPPFの方がずっと高いのは頂けませんね。
4.まとめ
マーケティング費や販管費のコスト割合が下がってきている中で、顧客数が右肩上がりに増えていけば、それに応じて利益も伸びていくSaaSというビジネスモデルなので、これからもEPSは順調に伸びていくと思います。プラスαのサービスの売上の方が大きいのも魅力的です。
しかし、顧客数の伸び率が下がってきている中でバリュエーションが高いのが気になりますので、しばらく様子見したいと思います。
なぜバフェットはFAANGの中でAppleを選んだのか?
- 1.はじめに
- 2.バフェットは高ROE企業が好き
- 3.自社株買いと配当、どちらが投資家にとってメリットがあるか?
- 4.FANG銘柄の中で比較したAppleの特徴
- 5.Appleの直近の業績
- 6.まとめ
1.はじめに
5月1日の決算発表で増配と1,000億ドルにのぼる自社株買いを発表したところに、バフェットがApple株を買い増していたと発表されて株価が急騰して新値を付けているAppleです。なぜ、バフェットは成長が明らかに鈍化しているAppleを選んだのか、今まで不思議に思っていたのですが、今朝のモーサテでバフェットがAppleの自社株買いをとても喜んでいるシーンがあって、自社株買いがキーかもと色々調べてみたところ、改めて自社株買いの威力に気付きましたので、ブログにまとめておきたいと思います。
2.バフェットは高ROE企業が好き
「バフェットの銘柄選択術」の第13章にバフェットが高ROE企業を好む理由が書かれています。ROEは純利益を株主資本で割った指標で株主資本からどれだけの利益を生み出しているかを表しています。
そしてバフェットが高ROE企業を好むのは、高ROE企業は以下の好循環を生むからだと本書では紹介されています。
まず、株主資本は以下のとおり定義されます。
株主資本=資本金+資本剰余金
+利益剰余金-自己株式
純利益から配当を出して、残りが利益余剰金となります。その利益余剰金は株主資本に組み込まれて、翌年ROEに応じたリターンを生みます。
それを毎年繰り返すことで、株主資本は大きく膨らんでいき、ROEが一定であれば、増えた株主資本に応じて、純利益も増えていきます。
当たり前ですが、ここでキーとなるのが、高いROEをキープし続けることができる企業を選ぶということです。つまりワイドモート(広い堀)を持った企業を選択することが重要になります。
↑Appleの1996年からのROEの推移ですが、2008年以降30%を下回っていませんね。安定感があります。
3.自社株買いと配当、どちらが投資家にとってメリットがあるか?
純利益は主に配当に回されるか、自社株買いの資金となるか、利益余剰金として内部留保されるかだと思いますが、配当と自社株買いだと、投資家にとってどちらがより有益なのでしょうか。
「バフェットの銘柄選択術」の第18章では、バフェットは株主となった企業に自社株買いを働きかけると書かれています。
アメリカでは受け取る配当額が大きいと、配当額に30%以上の税金がかかります。
それよりも自社株買いで発行済み株式数を減らして一株当たりの利益(EPS)を上げてもらった方がいいという考えのようです。そして、バフェットはいい企業の株を割安に買うのを信条としてますので、買ったときよりもPERが高くなれば、EPS×PER=株価の公式より、株価がより高くなって、より良いリターンが得られる可能性があります。
↑Appleが自社株買いを始めた2013年からの業績の推移ですが、これを見ると純利益は年率+6.9%の伸びに対して、自社株買いをすることでEPSは+12.8%となり、EPSの方が約1.9倍の成長率となっています。
EPSが純利益と同じ成長率だった場合、2017年9月のEPSは$7.47になります。この時のPERが16.75倍ですので、(9.27−7.47)×16.75=30.15と、一株当たり$30.15の違いが生じてます。5年間で$30の配当を貰おうと思ったら、仮に2017年9月の株価$155で計算したとしても、単純計算($155×4%×5年間)で4%以上の配当利回りと同じ効果があるということです(それ以前は株価がもっと低かったため)。
4.FANG銘柄の中で比較したAppleの特徴
Appleの売上成長率が低いので、今まで眼中になかったのですが、こうやって比較してみると、悪くはないですね。(Amazonは2014年が赤字だったので、成長率が計算されなかったですが、過去3年間のEBITDA成長率は83%あります)
まずROEの高さが際立っていて、自社株買いの余力が高いです。営業利益率や純利益率も2番めの高さです。成長率とPERの低さを考慮すると、買うならFBが一番かなと思いますが、何年間も今の成長を持続できる強固なワイドモートを持っているかと言われれば、やや不安を感じますね。成長率が下がればPERが下がりますので、思ったようなリターンが上げられない可能性があります。
バフェットはもっとAppleのPERが低い時に買っていますが、PERの下値が固かったら、EPSの成長率がそのままリターンになりますので、年率12.6%+配当分で成長するなら投資する価値があるということでしょうか。
5.Appleの直近の業績
↑最近の四半期ごとの売上成長率(前年同期比)ですが、10%以上に伸びてきています。
↑最近注目されているApple musicなどのデジタルコンテンツやApple Careなどを含むサービス部門の売上(青の棒グラフ)と全体の売上に占める割合(緑の折れ線グラフ)です。まだ15%位ですね。
↑ 成長率で比較すると、サービス部門は全体の売上の倍のペースで伸びていますので、iPhoneの売上鈍化を補うことが期待できそうかな?
6.まとめ
↑Appleの売上成長率も鈍化して、私の中でまったく期待感がなかったのですが、こうやって調べてみると案外安定した成長が期待できる銘柄だったということに気付きました。単価が高いiPhoneXが思ったよりも売れていることと、サービス部門が成長していることで、売上成長がまた伸びてきています。バフェットが計算した期待収益率が達成できる可能性が一番高いということでFAANGの中でAppleを選んだのでしょうね。
最近のAmazonは利益成長率が高くて、この先もこの成長率が続きそうな期待感がありますが、如何せんPERが高すぎますので、利益が伸びてもPERが下がれば株価は思ったようにあがりません。上手く行ったらリターンは断然Appleよりも大きいでしょうが、期待収益率を達成する確立としては、Appleが一番かなと思います。
ただ、FANGが配当を出さず研究開発費につぎ込んで、次の成長に向けて頑張っているのに対して、Appleはのんびりしているように私は感じるのですが、そこら辺のリスクをバフェットさんはどのようにお考えなのでしょうかね?
Amazonを今買った場合の5年後のリターンは?
1.はじめに
AmazonのPERは現在、約200倍です。yahoo financeのForward PERでも約100倍です。ここから買いに入るかどうかすごく迷うところです。
Amazonの評価が難しいのは、Amazonは成長するために設備投資や研究開発に多額の費用をかけているので、EPSが実際の成長を表していないからです。
↑1996年の上場1年前(1997年に上場)から2017年までとTTM(直近12ヶ月連続の合計数)を加えた希薄化後EPSの推移ですが、2016年からようやく安定したEPS成長が認められるようになってきたという感じですね。
(単位$million)
↑こちらは1996年からのEBITDA(営業利益に減価償却費を足し戻したもの)の推移です。Amazonは配送センター等へ多額の設備投資をしてます。それがAmazonという企業のパワーの源なので、その減価償却費を営業利益に足し戻したEBITDAの方が本当のAmazonの成長を表していると思います。
2.過去のEBITDA成長率から5年後のEBITDAを計算する
↑EBITDAの成長率です。Amazonが黒字化した2002年から2017年までの15年間で年率+36.8%の成長を続けています。過去5年間で年率+55%、過去3年で年率+82.5%と成長が加速してますが、2016年から2017年にかけての1年間では29%の成長率でした。
この過去の成長率から5年後のEBITDAを計算するわけですが、成長率をどう取るか悩むところです。前回のブログで書いたとおり、広告が利益を押し上げてきてますので、少なく見積もっても35%の成長は固いのではないでしょうか。
↑2017年のEBITDAに1.35をかけて計算していくと2022年には$72,336Mとなり、2017年の4.5倍になります。
↑こちらは成長率を30%で上と同様に計算したものです。2022年には$59,897Mとなり、2017年の3.7倍になります。
3.気になる5年後の株価は?
過去のEPS成長率から、今後の5年間も同じペースで成長するとして5年後のEPSを計算し、そこに過去10年間の平均PERを掛け合わせて5年後の株価を予想する方法がこの本の17章に紹介されています。
この方法をアレンジしてEBITDAをEPSとみなして、計算してみました。
↑PERの代わりに時価総額をEBITDAで割った倍率を用います。Amazonが黒字化した2002年からの推移で、2008年のリーマンショックの年が一番低くて17.5倍、そして今は41.2倍です。
(単位$million)
↑時価総額/EBITDA倍率(以下、倍率とします)を20倍、30倍、40倍の時の時価総額を計算してみました。4月28日終値の時価総額は$762,673Mで、倍率が41.2倍です。今後5年間、EBITDAが年率35%で成長して、倍率が40倍をキープすれば、時価総額は3.8倍の$2,893Bまで行きます(つまり今の株価が3.8倍になるということ)。
今後更なる金利上昇が見込まれるため、倍率が低下して30倍前後で推移したとすると、5年後の時価総額は今の2.8倍、倍率が20倍まで下がったとしても5年後には2.2倍まで時価総額は上がります。成長力の威力は大きいですね。
(単位$millions)
↑こちらはEBITDA成長率を30%で計算したものです。オレンジ部分は今買った場合、利益が乗って来るところです。景気後退で相場の地合いが悪くなり、成長率が30%まで落ちて、倍率が20倍まで下がっても4年後には儲けが生まれてきます。5年間保有すれば時価総額は1.5倍になり、年率換算で+9.5%のリターンが得られます。ここが最低ラインでこの想定条件より悪くなったら即座に売りですね。最悪なケースとしては、もし1年目に相場が突如暴落して倍率が20倍まで下がったら、株価は今の54%まで下がってしまいます。
4.まとめ
Amazonのように長期的に見て着実に成長している企業は、この先の成長も予測しやすいと思います。普通はEPS成長率を用いますが、Amazonの場合は、利益は極力、設備投資や研究開発費へ回してひたすら成長することを目指してましたので、EPSが当てになりません。そこで今回EBITDAを用いて計算してみました。
しかし、EPSの推移を見ても2016年よりAmazonもしっかり利益が伸びてきており、それに合わせて株価がブレイクし始めています。
前回のブログで書きましたが、今までAmazonはクラウドサービス(AWS)の利益が支えでしたが、そこに広告の利益収入が加わったため利益が安定して伸びてきているのだと思います。
EC部門は海外の設備投資が嵩んで、まだまだ赤字が続く可能性があります。サブスクリプション部門にAmazonプライム会費は計上されていますが、配送費やプライムビデオ、そしてオリジナルドラマの制作などで、会費を値上げをしても利益はあまり期待出来ないと私は思います。買収したホールフーズもそれなりに利益をあげていそうですが、実際にどれだけ営業利益が出ているのか分かりません。よって、控えめに考えると、今後のAmazonの利益成長を支えるのはAWSとOther(ここに広告の利益が含まれる)のこの2つのセグメントになると思います。
クラウド事業は今まで安定した高成長を続けてきたましたが、マイクロソフトが猛烈に追い上げてきています。Googleも頑張ってますし、両社もAIを使ったサービスも始めていて、AWSも今の成長率をキープできるか心配な面もあります。
広告事業は最近売上が急速に伸びています。
ネットで評判を調べてみると、最初は安かったのに最近は出稿料を値上して出稿者の評判が落ちてきてますが、どちらがAmazonの利益増加にメリットがあるか分かりません。広告事業の今後の行方はとても大事だと思います。
Amazon スポンサープロダクト広告を半年間継続利用した結果 | 売れる!ネットショップの教科書
↑Amazonが広告を始めた当初は、出稿者の評判がとても良かったようです。
アマゾン広告の運用と費用対効果について | 定期購入EC通信
↑しかし、最近は出稿料が高くなって費用対効果が良くないという記事が増えてきています。
今後、EBITDA成長率が30%をキープして、投資家の期待が剥がれ落ちず倍率が30倍をキープできれば、5年間保有したリターンは今の株価の2.4倍になります。
Guru focusに出ている2020年の予想EBITDAは私の予想よりも高くて$42,202Mありましたので、成長率は35%以上で計算されています。よって、私の予想よりも上振れする可能性も十分あります。
Amazon.com Inc (AMZN) Stock Analysis - GuruFocus.com
お願いですから、あまり高い期待感を持たせないで頂きたいと思います。事前予想が高くなりすぎると、それを下回った場合の株価下落が激しくなりますので、長期投資家には迷惑です(笑)
さてさて、5年後の結果はどうなっているでしょうか?
間違いが無いように気をつけて計算してますが、正確性は補償できませんので、今回のブログは単なる私の戯言だと思って、投資は自己責任でお願いします。なお、今回用いた業績の数字はAmazonが発表する決算資料からではなく、Guru Focusから引用しています。
Amazonの利益成長の肝は「Other」にあり?
1.はじめに
2018第一四半期決算でAmazonが広告事業をやっていることに、気付きました。Amazonと同じEC事業を展開しているアリババの収益のメインは広告事業ですが、その利益率の高さを知っていましたので、このセグメントの将来性について調べてみました。
2.Amazonの広告事業とは
↑日本でもすでに展開してました。Amazonをよく利用してますが、どこに広告があるのか今まで気づきませんでした。
↓こんな感じでAmazonのサイトに広告が載せれるようです。
↓広告No1のGoogleとの違いは、Amazonは顧客が実際に購入に踏み切ったという情報を持ってるのが強みですね。
↓料金表を見ると結構いい値段してますね。自社ですでに築き上げたプラットフォームに広告を載せますので、場所代を払う必要がなく、売上のほとんどが利益になるのではないでしょうか。
上の3枚のキャプチャーは以下のAmazonの広告媒体資料より引用
3.決算資料を見てみる
↑2018年第一四半期の売上高の内訳ですが、広告収入は一番下のOtherに含まれています。単位は$millionsです。
↑いつも参考にさせて頂いているふ〜部長さんのTwitterによると、会計処理で嵩上げされているので、前年同期の1.7倍である$1,445Mくらいではないかとことです。
↑Amazonの決算資料の営業利益の内訳は地域ごとしか出てないので、セグメントごとの営業利益率が計算できないのが残念なのですが、広告事業の利益率の高さを考慮して、$1,445Mのほとんどが利益だとすると、営業利益の増加に相当貢献していると思われます。
↑今期の売上から過去2年間の各セグメントの成長率(8四半期分の平均値)を用いて、3年後の売上高を計算してみました(Otherには会計処理の変更前の推定数字に変更)。実店舗(買収したホールフーズの店舗)の成長率もまだ出てませんので、私が勝手に10%としてみました。
そこに私が推定した営業利益率をかけて営業利益を計算してみました。Third party sellerサービスの営業利益率は、日本でのマーケットプレイスの本やCD以外の商品の手数料から8.4%という数字を用いました。AWSの営業利益率は決算資料から計算できます。Subscriptionサービスはネットフリックスの純利益率を用いました。Otherの広告は私が勝手に想像して90%としました。ネット通販と実店舗の利益率は、多分ベゾスはこのセグメントは単なる客寄せパンダで利益を出すつもりはないと、私は踏んでいますのでゼロとしました。
過去2年間と同様のペースで成長すると、営業利益は6.9倍になり、営業利益率も3.7%→13%まで上昇します。そしてOtherがAWSを抜いて断トツの営業利益を誇ることになります。
↑Otherの成長率を控えめの年率+40%としたら、それでも営業利益は7.1倍、営業利益率は10%まで上がります。
4.まとめ
昨年からのAmazon株がブレイクしていたのは、今まで薄利でやってきたAmazonの利益率が急速に伸びる可能性が見えてきていたからだと思います。私もようやく見えました(笑)。
プラットフォームというビジネスモデルが花咲いてきましたね。
Amazonが先駆けて展開したクラウドサービスのAWSについても、他社より7年先行しているとベゾスは今回の決算発表で言ってますので、そろそろAI絡みで凄いサービスが出て来る可能性もあります。Amazon楽しみですね。
まあ、今回の計算は単なる私の幼稚な推測なので当たるかどうか分かりませんが、今後Amazonの決算発表をチェックする際は、Otherにも注目して頂ければ幸いです。
セグメントごとの売上は以下の10−Qに載ってます。
Amazon Q1 2018 Financial Results