Hang in the US MARKET

日本の将来を悲観して、あえて米国市場で頑張っています

Amazonの利益成長の肝は「Other」にあり?

 

1.はじめに

2018第一四半期決算でAmazonが広告事業をやっていることに、気付きました。Amazonと同じEC事業を展開しているアリババの収益のメインは広告事業ですが、その利益率の高さを知っていましたので、このセグメントの将来性について調べてみました。

 

2.Amazonの広告事業とは

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↑日本でもすでに展開してました。Amazonをよく利用してますが、どこに広告があるのか今まで気づきませんでした。

 

↓こんな感じでAmazonのサイトに広告が載せれるようです。

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↓広告No1のGoogleとの違いは、Amazonは顧客が実際に購入に踏み切ったという情報を持ってるのが強みですね。

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↓料金表を見ると結構いい値段してますね。自社ですでに築き上げたプラットフォームに広告を載せますので、場所代を払う必要がなく、売上のほとんどが利益になるのではないでしょうか。

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上の3枚のキャプチャーは以下のAmazonの広告媒体資料より引用

https://m.media-amazon.com/images/G/09/advertising/ratecard/2018Q1/2018Q1_RateCard_ver3.3_TopA_deleted._CB1198675309_.pdf

 

3.決算資料を見てみる

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↑2018年第一四半期の売上高の内訳ですが、広告収入は一番下のOtherに含まれています。単位は$millionsです。

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↑いつも参考にさせて頂いているふ〜部長さんのTwitterによると、会計処理で嵩上げされているので、前年同期の1.7倍である$1,445Mくらいではないかとことです。

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Amazonの決算資料の営業利益の内訳は地域ごとしか出てないので、セグメントごとの営業利益率が計算できないのが残念なのですが、広告事業の利益率の高さを考慮して、$1,445Mのほとんどが利益だとすると、営業利益の増加に相当貢献していると思われます。

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↑今期の売上から過去2年間の各セグメントの成長率(8四半期分の平均値)を用いて、3年後の売上高を計算してみました(Otherには会計処理の変更前の推定数字に変更)。実店舗(買収したホールフーズの店舗)の成長率もまだ出てませんので、私が勝手に10%としてみました。

 

そこに私が推定した営業利益率をかけて営業利益を計算してみました。Third party sellerサービスの営業利益率は、日本でのマーケットプレイスの本やCD以外の商品の手数料から8.4%という数字を用いました。AWSの営業利益率は決算資料から計算できます。Subscriptionサービスはネットフリックスの純利益率を用いました。Otherの広告は私が勝手に想像して90%としました。ネット通販と実店舗の利益率は、多分ベゾスはこのセグメントは単なる客寄せパンダで利益を出すつもりはないと、私は踏んでいますのでゼロとしました。

 

過去2年間と同様のペースで成長すると、営業利益は6.9倍になり、営業利益率も3.7%→13%まで上昇します。そしてOtherがAWSを抜いて断トツの営業利益を誇ることになります。

 

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↑Otherの成長率を控えめの年率+40%としたら、それでも営業利益は7.1倍、営業利益率は10%まで上がります。

 

4.まとめ

昨年からのAmazon株がブレイクしていたのは、今まで薄利でやってきたAmazonの利益率が急速に伸びる可能性が見えてきていたからだと思います。私もようやく見えました(笑)。

プラットフォームというビジネスモデルが花咲いてきましたね。

 

Amazonが先駆けて展開したクラウドサービスのAWSについても、他社より7年先行しているとベゾスは今回の決算発表で言ってますので、そろそろAI絡みで凄いサービスが出て来る可能性もあります。Amazon楽しみですね。

 

まあ、今回の計算は単なる私の幼稚な推測なので当たるかどうか分かりませんが、今後Amazonの決算発表をチェックする際は、Otherにも注目して頂ければ幸いです。

 

セグメントごとの売上は以下の10−Qに載ってます。

 Amazon Q1 2018 Financial Results 

http://phx.corporate-ir.net/External.File?item=UGFyZW50SUQ9NjkyNjQ1fENoaWxkSUQ9NDAzNzI5fFR5cGU9MQ==&t=1