株価好調のAmazonに死角はないのか? 自分でグラフを作ることの大切さ
(1)はじめに
まず最初に断っておきますが、私のポートフォリオの20%をAmazonが占めており、Amazonにはかなり期待しております。
皆さんがAmazonに期待していることは、それぞれ違うと思いますが、昨年から株価の好調が続いているのは、純利益の成長率が尋常ではないからだと思います。
↑Dec17期より前年同期比100%以上の成長率で、前回の決算では10倍以上をマークしてました。売上が予想を下回っても株価が下がらなかったのは、この驚異的な利益成長率が要因だったと思います。
↑希薄化後EPSの推移を見れば、Dec17期より著しくEPSが増えていることが分かります。
このグラフを見て私が思ったのは「では、今年のDec18期におけるEPS成長率はどれくらいになるのか?」ということです。
Dec17よりEPSが$3を超えてきて、翌年の数字のハードルが上がってきていると感じるのは、私だけでしょうか?
そこで今回、いろいろ想定をしてみて、一定の結論が得られましたので、ブログにまとめてみました。
(2)シミュレーション
↑Amazonの売上成長率ですが、ホールフーズの売上が加わったことで、Sep17期(3Q)より30%以上の成長率を誇っていますが、Sep18期(3Q)よりその下駄もなくなります。
前回の決算でSep18期(3Q)のガイダンスは売上成長率+23〜31%が提示されていましたので、その数字をもとにDec18期の売上を以下のように計算してみました。
(単位millions EPS除く)
↑純利益率は以下の直近の推移(以下の折れ線グラフ)より3〜5%の間で取ってみました。発行済み株式数(希薄化後)は直近の2Qの数字を用いています。
このような表を作ってみて気付いたのは、EPS成長率が100%以上をキープするには、純利益率5%が必須ということです。4%だとEPS成長率が60〜70%くらいになって、Amazonの今のPER約150倍(2018年8月14日現在)を支えきれないかもしれません。
(3)まとめ
今回のブログは「Amazonがやばい!」というつもりで書いたわけではありません。Amazonは顧客の利便性を追求するために、世界最大級の設備投資と研究開発費を使う会社であり、この先も長期間に渡って成長を続けてくれると思っています。ネットコールセンター事業のAmazon ConnectもAmazonの利益にかなり貢献してくれる事業に育つのではないかと期待しております(2018年後半に買収が完了予定のPill Packの2017年の売上は$100 million程度のようで、すぐにはAmazonの業績に影響を与えなさそうです【8月15日追記】)。
How Much Can Amazon's PillPack Acquisition Contribute To Its Overall Growth?
今回のブログの趣旨は、グラフを作るといろいろな気付きが得られますよね、ということです。最近のAmazon株価好調を受け、買い増ししようかなという思いが募ってきたので、自分がコツコツと作ってきたグラフを眺めていたところ、今回の気づきが得られました。
英語が苦手でも数字を拾うことはできますし、私はGuru focusの有料会員にあえてなって、四半期のデータをダウンロードしてグラフを作っています。
最後にDec18期に純利益率5%を達成できるか?の点についてです。私はできると思いますが、税率次第では達成できないかも...なので、今の株価水準での買い増しはお預けです。そして、小型グロース株を買おうと思ったら、ブログ書いているうちにいつの間にか上がっとるやん!(笑)
数字や計算に間違いがないように気をつけてはいますが、絶対ではありません。投資を趣味とする素人が書いたものですので、内容の保証はできません。投資は自己責任でお願いします。