Hang in the US MARKET

日本の将来を悲観して、あえて米国市場で頑張っています

株価に翻弄されない投資家になるために私が勉強してきたこと(前半)

 1.はじめに 

株価のボラリティが激しくなってきました。上手く高値で売り抜けた人はいいですが、私も含めて逃げ遅れた人は、含み益が減ってくると心理的プレッシャーを強く感じますね。

 

長期金利3.2%を超えてきた時点で、今まで順調に伸びていたIT銘柄が崩れました。

 

もうIT銘柄はダメなのか、また復活するのか悩むところです。どう判断したら良いのでしょうか?

 

私は自慢するほどの実績を上げてきたわけではありませんが、今まで凄腕投資家さんが主催する投資勉強会に参加して学んできたなかで知った、この先の投資判断に参考となる本とその内容について紹介したいと思います。

 

2.株価が上昇する理由を理解する

株価の上昇要因は、画期的な技術やサービスを提供して売り上げが伸びたり、経営努力で業績が予想よりも良かったなど、いろいろあると思いますが、元を辿ると売る人よりも買う人の方が多かったら上がるし、売る人の方が多かったら下がります。

 

そして、買う人は今この株を買えば儲かると期待するから買うのであって、株価を上昇させる要因を一言でいうと「人々の期待」だという、言われてみれば当たり前のことになります。

 

まず、人々の心理要因が株価を動かすことを押さえた上で、次に投資理論を押さえておく必要があります。

 ↑田淵さんの本は、投資に関する抽象的な概念を分かりやすく説明してくれるのでとても役に立ちます。

 

3.押さえておきたい投資理論

1ランダムウォーク理論

まず、最初に初歩的な投資理論のランダムウォーク理論は押さえておきたいです。統計的には株価の動きはランダムで、この先上に動くか下に動くかは五分五分です。

 

多くの投資家の将来に対する期待が高まって、しばらく上昇トレンドを形成したり、多くの投資家が将来に悲観的になって、下降トレンドが続いたりしますが、長期的な統計を取ると株価の動きはランダムなようです。

 

よって、株式投資でコンスタントに利益を上げようと思ったら、このランダムウォーク理論に打ち勝つルールを自分の中に築く必要があると思います。

 

テクニカル分析の知識がある人は別として、投資の勉強をせずに株価の動きだけで主観的に売り買いの判断をしていると、買ったり負けたりで資金は思つたほど増えて行かず、最後には「インデックスファンドの積立が最強!」という結論になってしまうと思います。

 

2プロスペクト理論

とある有名な個人投資家さんが行動経済学は勉強した方がよいと言っていました。その行動経済学の基本事項として、プロスペクト理論があります。

 

この理論は、含み益と含み損が同じだけ減った時に、心理的負担は含み益が減った時の方が大きいというものです。よく、素人は少し儲けが出たらすぐ売って、含み損は放置して赤字幅を広げてしまうと言われますが、まさしくプロスペクト理論が証明していることです。

 

株で資金を大きく増やそうと思ったら、成長株を長期に保有するのが王道だと思います。そうすると、何度も含み益が減少する目にあうと思いますが、その時にプロスペクト理論を思い出して、ぐっと堪える必要があります。

 ↑こちらも田淵さんの本。田淵さんの本はあまり知られていませんが、地味におすすめです。

 

4.投資の王道「ピーターリンチの株で勝つ」

 

この本では、地味ながらも特定の分野で独占的な地位を占め、低成長ながらも安定的に成長している銘柄への投資を推奨しています。これが、投資の王道だと思います。

 

急成長している企業は、売り上げ成長率が凄いですがその分PERも高く、今回のように相場が急落した時に、バリュエーションの調整に巻き込まれて株価が大きく下がってしまいます。10月に入ってからのPER150倍のAmazonPER20倍のAppleとで、下落幅を比較すると、その違いが理解できると思います。

ローソクチャートがAmazonで赤線がAppleになります。真ん中の10月までは両者おなじ動きをしていましたが、下落相場になったら、下落幅が大きく違いますね。

 

 

将来の期待感が高い銘柄は人気が出てPERが高くなり、その分株価の変動幅(ボラリティ)が高くなりますので、その分リスクが上がります。

 

コーポレートファイナンスの分野では、ボラリティの変動幅のことをリスク、将来が見通せない事を不確実性というようです)

 

よって、リスクを抑えるためには、将来への期待感がそれなりにあって、かつPERがそこそこの株を、相場が下がった時に買って、放置しておくのが投資の王道だと思います。

 

それをわきまえた上で、私は小型グロース株に手を出しています。

 ↑凄腕投資家さんの多くの人が推奨する有名な本ですね。 

 

5.バフェット流にいくら儲かるか試算する

 

Amazonみたいにバリュエーションが高い株を買う時に、気をつけないといけないことは、この水準で買って将来幾ら儲かるか?のあたりを付けてから買わないと、リスクの割にリターンが少なくて、割に合わない投資をしてしまいます。

 

当たるか当たらないかは別として、ひと手間かけて試算することは大事だと思います。

 

その時に参考となったのが「億万長者を目指すバフェットの銘柄選択術」に載っている、過去のEPS成長率を参考として、今後5年間のEPS成長率を想定して、想定どおりEPSが成長したら株価がいくらになるかを計算する方法です(この本に載っているやり方では、この方法が一番簡単です。当然、バフェットはこんな簡単なやり方で計算はしてないと思いますがね...)。

 

自分なりに今後5年間のEPS成長率をいくつか設定して、同様に5年後のPERもいくつか設定して掛け合わせれば5年後の株価が簡単に試算できます。

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↑最近計算したCopart(事故車のオークションをやっている会社)の5年後の株価予想。今後5年間のEPS成長率が18%の場合(上)と15%の場合(下)で、5年後のPERが30倍、25倍、20倍の時に株価がいくらになるか試算したものです。

 

年率換算したリターンの計算は、以下の式をエクセルに入れれば得られます。

 

=(5年後の予想株価/現在の株価)^(1/5)-1

 

そして、自分の納得できるリターンが得られることを確認してから、実際に株を買います。

 

このときのポイントは、この先金利の上昇とその後の景気後退が予想されますので、PERが下がることを想定して、下がった場合のPERでも計算することがポイントだと思います。

 

このCopartの場合、自分の中ではPERが20倍まで下がるのが許容範囲だと思います。

 

そして決算ごとに試算どおりのEPS成長率をキープしているか確認して、成長率が落ちたら売却を検討するなど、この試算が一つの判断基準になります。

 

また、今後入ってくる色々な情報をもとにこの試算を自分なりに修正して、常にリターンが幾らになるのかイメージしておくことが大事だと思います。

 ↑この本では、リターンを利回りとして捉えることが学べます。この利回りの考え方が身につけば、金利が上昇したらどうなるか判断できるようになるでしょう。

 

(後半につづく)

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