ニッチな分野に集中戦略を取る医療器具メーカーLeMaitre VASCULAR社(LMAT) (その1)
1.はじめに
またまた私の師匠より面白そうな銘柄を教えてもらいましたので、調べてみました。ニッチな分野に特化してドミナント戦略をとっていて、業績を見ると売上はもとより順調に営業マージンも伸ばしており、長期投資向けの銘柄です。
先に結論を言いますと、それだけに期待が高く2018年8月27日時点でPERが33倍あり、成長率の割には割高かなという気がしますので、直ちに買う必要はないかなと思っています。
ただ、不況に強い医療器具系銘柄になりますので、来年以降の米国株相場を考えるとWatch銘柄に登録しておいて、何かのきっかけで下がったらすかさず買いたい銘柄だと思います。特にここ2連続で決算をしくじっていますので、株価はやや軟調な推移です。
↑日足チャート
↑週足チャート
今回は長くなりますので、2回に分けて紹介したいと思います。
2.LeMaitre VASCULAR社とは
LeMaitre VASCULAR社(以下LMAT)は血管外科分野の製品に特化しつつある医療器具メーカーです。
↑現在、78%が血管外科関連の製品になります。そして、血管外科以外の製品は売却していって、血管外科関連の製造メーカーを買収する経営改革を行っています。
↑汚いメモで申し訳ありませんが、血管外科分野の製品で緑色のものはマーケットシェアで1〜2位の位置を占めています(世界市場なのかアメリカ市場だけなのかは不明です)。
↑これらの製品の売上が8割近くを占めているようです。左がDisposable(使い捨て)商品、右が血管に移植するパッチなどのBiologics(生物的)製品になります(こちらの方が利幅が高いと思われます)。
↑そして、利幅の高い生物的製品(青色部分)の比率を高める方針をとっています。
↑もう一つの特徴は、セールス要員を増やして直販体制を拡大していることです。
↑セールス要員の配置状況です。アメリカと西ヨーロッパが中心で、アジアでは日本と中国に配置しています。中国も代理店販売から直販体制に順次切り替えています。
↑商品の各国における当局の承認状況です。一番下にその割合が出ています。USで95%、日本では54%、中国では27%という状況です。日本と中国では順次承認手続きをとってますので、これから少しずつ拡大してくと思います。
↑ブラジルや南アフリカなど新興国での承認状況です。韓国で5つの製品が承認申請されていますね。世界各国で承認が取れてるのが凄いです。
↑アメリカ、カナダ、ブラジルでの売上が60%を占めています。ちなみに今一番伸びている地域はヨーロッパです。
以上をまとめるとLMAT社の魅力は以下の3点になり、これからも順調な成長が見込めると思います。
- ニッチ分野に特化した商品構成へシフトして、ドミナント戦略をとっている
- セールス要員を各国に順次増やしており、直販体制を築きつつある
- 取り扱う商品は世界各国で保健当局から承認が取れており、これからも承認商品が増えていく
(その2に続く)