Hang in the US MARKET

日本の将来を悲観して、あえて米国市場で頑張っています

NVIDIAを今からNISAで買うのはあり?

 (1)はじめに

NVIDIA(以下NVDA)も決算しくじりました。最近、ハイテク銘柄の天井がささやかれるようになりましたが、個人的にはITの発達で世の中が変わりつつあると感じていますので、ハイテク銘柄が長期的に見ても魅力的であるという思いは変わりません。

 

皆さんもご存知の通りNVDAはビデオゲームをする際に重要なグラフィックボートで使われる半導体の分野で非常に競争力のある商品を作っており、また次世代の技術であるAIや自動運転の分野でもトップの位置を占めています。ビデオゲームの分野もEスポーツという言葉を聞くようになったように、現在非常に盛り上がりを見せている分野です。

 

今まで急成長をしてきたNVDAの成長率が、この度のガイダンスによると3Qで鈍化することになりました。原因は今まで盛り上がりを見せていた仮想通貨のマイニング分野での売上が急減したからです。

 

成長率が鈍化すると株価が大きく売られるのがグロース株の特徴ですが、将来の期待が高いNVDAの株価はどうなるのでしょうか?ここで大きく売られるなら買いのチャンスでもありますので、今更ながらNVDAについて調べてみました。

 

(2)2Q FY19の決算内容

8月16日引け後に発表されたNVIDIA(以下NVDA)の決算は、仮想通貨マイニング分野での販売が大幅に下落し、売上高と3Qのガイダンスが予想を下回る結果となりました。

エヌビディア 第2四半期決算 EPSはOK、売上高、ガイダンスは× - Market Hack 

ガイダンスをグラフに落とし込むと以下のとおりになります。

 

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↑売上高のガイダンスには仮想通貨マイニング分野の売上が入っていません。それでも売上成長率が+23%は寂しい感じがしますね。当然仮想通貨マイニング分野の売上がゼロになることはないと思うので、上振れする可能性は十分ありますが...

 

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↑セグメントごとの売上ですが、一番上の紫の部分が仮想通貨マイニング分野の売上です。全体に占める割合は少しですが、Q1FY19ではそれなりの売上を上げているので、これが急激に下がるとインパクトはありますね。

 

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↑nonGAAPのEPSの推移です。ちなみにNVDAは直接EPSに関するガイダンスは出してません。でもグロスマージンから営業支出、税率まで細かいガイダンスを出しますので、それらから推定された数字になります。

 

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↑こちらはGAAPのEPSになります。次のQ3で前年同期比+30%は、ちょっと寂しいですよね。

 

↑PERの推移ですが、8月17日の終値で約35倍まで下げてきています。35倍が一つの節目ですが、まだ下がるのでしょうか?

 

(3)NVDAはAI分野へのアプローチの仕方が素晴らしい!

 ↑こちらの本の最後にNVDAを取り上げた記事が載っており、とても参考になりました。

 

現在、NVDAがAI分野でトップの座に位置していますが、もともとビデオグラフィックに強い半導体GPU)を作っていたNVDAが、自社のGPUがAI、その中でもディープラーニング分野で凄い威力を発揮すると知ると戦略的にAI分野へアプローチしていきました。

 

まずディープラーニング向けのGPUを作ると同時に、自前でティープランニング用のソフトウェアを開発してGPUに組み込み、また価格を比較的安くして、広く使われる製品を販売しました。ディープラーニング用のソフトはオープンソースにしたために、Amazonマイクロソフトなどが使いだしました。狙いはAIのプラットフォームを築くことです。

 

そして、世界中のAI研究者を支援するとともに、AI分野のベンチャー企業も積極的に支援しています。NVDAのテクノロジーを惜しみなく提供することでアイデアを共有することができ、WinWinの関係を築くことを心がけています。

 

そしてAIを活用する分野の開拓にも乗り出し、その一つが自動運転の分野とのことです。

 

 

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↑真ん中の黄色の部分がAI関連で使われるデータセンターの売上です。

 

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↑一番上の青線がデータセンター分野の成長率(YoY)です。急成長していますね。主力のゲーム分野(赤線)も前回同様、今回の2Q決算でも50%の成長率をマークしていました。ゲーム部門もまだまだ成長は続くと思います。ビデオゲームの世界はよく知りませんが、広瀬さんのレポートだとEスポーツが盛り上がるものこれからのようです。

テンセント・ショックで中国のネトゲ株が低調な今、ゲーム・ストリーミング関連株の「フヤ」に妙味が!世界的流行の兆しを見せる「eスポーツ観戦」とは!?|世界投資へのパスポート|ザイ・オンライン

 

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↑NVDAのカンファレンスコールでも紹介されていた秋に発売される対戦型ゲーム。こんな立派なグラフィックを動かすのにNVDAの半導体が威力を発揮するようです。

 

 ↑この本読みましたが、AIを構築するために行う機械学習で用いるGPUは、スピードの面で現時点ではNVDA以外ありえないとのことでした。

 

(4)今から買う場合、いくらなら買ってもいいのか?

今年はまだNISA枠で何も買っておらず、何を買うか悩んでおりましたが、NVDAの株価が急落したことで買いを検討しております。

 

私のNISA枠に対する考え方は5年間引っ張ることを想定していつも買ってます。今後5年間のNVDAの成長率やPERを自分なりに想定して、どれだけのリターンが得られるのかシミュレーションしてみました。

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↑EPSが今後、年率+20%で成長した場合と+30%で成長した場合を想定してみました。起点となるEPSは2Q FY19のTTMで計算した数字$6.84です。現時点の株価$240(2018年8月20日時点)で購入して5年間保有した場合のリターン(年率換算)は一番右のとおりになります。

 

インテルを始め他の半導体メーカーがNVDAの背中を一生懸命追いかけており、今後5年間で競争が相当激しくなっていると思いますので、20〜30%の成長率をキープできれば良しとしました。成長率が平均20%で推移した場合、投資家の期待を表すPERがどのレベルになるのか、25倍をキープしてくれたら年12%のリターンが得られます。最低これくらい欲しいところですね。

 

欲を言えば、もう少し安い買値でエントリーしたいところです。ちなみに、カンファレンスコールでは他の半導体メーカーの決算発表で出たデータセンターへの投資が減速している話について質問が出ていましたが、使われる目的が違う(Uberを始めとする交通系や医療系の分野でのAI活用での引き合いが多いようです)のでうちは関係ないとの回答でした。米中貿易戦争に関する質問は出てなかったですね。参考までにNVDAはファブレス企業で台湾と韓国のメーカーに製造委託しています。

 

(5)まとめ

長期保有を目的としてグロース株を買う場合、PERが高い時にエントリーすると、保有している間に成長率が鈍化した場合PERが下がるので、長期保有しても思ったようなリターンが得られないことがあります(大概どんなに優秀なグロース株もいずれ成長率が鈍化するものです)。そのことを考慮して、エントリーする際のバリエーションと今後の成長性をよく吟味する必要があると思います。

 

NVDAはビデオゲーム、AI、自動運転とこの先の成長が十分期待できる分野で競争力を持つ製品を持っています。また、Professional Visualization分野で画期的な新製品を出すようで、仮想通貨マイニング分野の穴を埋めてくれそうな期待もあります。

 

このブログを書いている時点でチャートはこんな感じですが、もうちょっと下がってくれないかな〜

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数字は間違いがないように気をつけてはいますが、絶対ではありません。本ブログは投資を単なる趣味とする素人が書いたもので、内容は保証できません。投資は自己責任でお願いします。