Hang in the US MARKET

日本の将来を悲観して、あえて米国市場で頑張っています

Nutanixの株価が動きだした!改めてこの会社の経営方針について調べてみた

 

1.はじめに

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(日足チャート)

昨晩、Needham & Companyという銀行がNutanix(NTNX)をアップグレードしたら株価が約10%も上がりました。アップグレードでこれだけ上がる株も珍しいですね。この前のブログでは業績面は細かく調べたのですが、この会社が提供しているサービスに関してあまり良く理解できなかったので、今回調べてみました。

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それにしても、米国相場自体も上値が重くなってきたし、11月30日の決算発表を待ってから買おうかな、と思っていた矢先にいきなり株価が上がってしまって、ほんと今年はなかなか上手く波に乗れない年です。

 

2.Nutanixが提供しているハイパーコンバージドインフラストラクチャとは

(1)ITインフラにおける仮想化インフラへの動き

IT資源を効率的に利用するために、ITインフラを仮想化する動きがあります。パソコンのハードの部分(CPU、メモリー、ハードディスク)を1つにまとめて、各個人がそこにアクセスして作業を行う方式を仮想化インフラというそうです。

 

1つにまとめることによって、システムエンジニアが管理しやくすくなり、またハードディスクの追加など、システムの増強もシステムを停止させることなくできるなど大きなメリットがあります。また、万が一に備えて予備のサーバーを備えてますので、壊れてもすぐバックアップシステムが稼働し、可用性(システムが継続して稼働し続けること)が高いシステムだと言われています。

 

また、クラウド化にもなりますので、自分が使っているパソコンが壊れても、データがなくなる心配から開放されます。

 

(2)ハイパーコンバージドインフラストラクチャとは

この仮想化システムをパッケージ化して最初に販売を始めたのがNutanixになります。ハードだけでなく、アクセス状況によってCPUやメモリーの割当を変えたり、それを上手く制御するソフトウェアも重要になります。

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写真の右側にNutanixのハードが載ってますが、この筐体の中にサーバーがいくつか入っていて、それぞれ繋がっています。そしてこの筐体を連結してくだけで、いくらでもシステムを拡張していくことができ、非常にシンプルな構造になっています。

 

(3)この分野のライバル

この分野のライバルも最近急速に増えてます。2017年1月にはHPEがSimplibityという、この分野ではNutanixに次ぐ二番目に古い会社を買収して参入してきました。Nutanixよりも評判が良さそうな感じです。その前年の2016年6月にはDELLもEMC Corpを買収して参入してきてますし、Ciscoも8月に買収して参入してきました。それだけ、この分野が有望だと言うことだと思います。

 

3.Nutanixの今後の経営方針

Nutanixは設立当初はハードとセットで販売してきたのですが、今はソフトウェアだけの販売へ転換を図っています。まだ契約比率でいうと17%ほどですが、サブスクリプション方式での販売なので利益率は断然こちらの方が高いと思います。

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www.atmarkit.co.jp

Nutanixは、ハードウェアとソフトウェアが一体化したアプライアンスを自社製品として提供することからスタートしたが、現在ではDell EMC、LenovoIBMに対してソフトウェアのOEM提供も行っている。さらに最近では、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Cisco Systemsのサーバにインストールして利用できるソフトウェアライセンスの提供も始めた。

 

今回のNeedham & Companyがアップグレードした理由としてそのソフトウェアの販売を上げています。そして、Nutanixが掲げる成長戦略が以下のHPに出ていました。

ascii.jp

Nutanixが最終的な目標としているものは、現在提供している「ハイパーコンバージドインフラ(HCI)」ではなく、その先に実現するエンタープライズクラウドの「プラットフォーム」構築であると説明した。

 

HCIというプロダクトにとどまることなく、「もっと拡張し、よりセキュアで、PaaSなど他のレイヤーとも連携する(エンタープライズクラウド)プラットフォーム」を目指していると語った。

 

 「Nutanixはこれから、真の意味での『プラットフォーム』を構築しなければならない。(コンピュートやストレージだけでなく)ネットワーク、セキュリティ、ITマネジメントといったことがワンクリックでできたり、自動化されたりする環境だ。そのために、Nutanixはまったく新しい企業として進まなければならない」(パンディ氏)

 

4.まとめ

アップグレードだけでこの先もずんずん株価が上がっていくのも考えづらいですので、今すぐ買い注文を入れませんが、アップグレードだけでこれだけ上がる銘柄も珍しいですね。

 

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(デフォルトがUKですので、まずUSに直して下さい)

米国の長期金利が最近下がってきてますので、グロース株にはまた多少の追い風が吹いてきたと感じてますが、米国予算案が年内に可決されるかどうかの不安から短期金利も上がってきています。長期金利が下がって短期金利だけ上がると俗に言うイールドカーブのフラット化ですので、米国相場が崩れてしまう可能性があります。

 

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しかし、こうやって比較するとNutanix(NTNX)は、売上成長率が高いわりにはEV/ Revenueで比べると他の株価よりも割安感がありますので、今回の急上昇をきっかけに出遅れ銘柄として注目を浴びるかもしれません。

 

だんだん米国株相場も難しい局面になってきましたが、個人的にはここで思い切って株価の流れに飛び込んで年内を気分良く締めくくりたいところです。