Google、Facebook、Paypal 今から買って儲かるのはどれか?
1.はじめに
「バフェットの銘柄選択術」で紹介されている過去のEPS成長率をもとに将来のEPSを計算して、それにPERを掛けて将来の株価を予想する方法でFANGの一角であるGoogle、FacebookとFintechの雄であるPaypalを比較してみました。AmazonとNetflixはEPSが安定していないので、今回は除外しました。今買うとしたら5年後にどれだけの利益が得られるのでしょうか?
なお、ここで用いた数字はモーニングスターから得ています。便利なサイトですね!
Morningstar – Independent Investment Research
2.3社の過去5年間の推移
(1)Google
安定した成長を見せているGoogleです。過去5年間の希薄化後EPSの成長率は11.5%です。
(2)Facebook
こちらは2016年になってから成長が加速しています。成長率を利益がほとんど出ていない2012年から計算すると凄い成長率になってしまいますので、過去3年の成長率を計算すると46.9%でした。
(3)Paypal
こちらはeBayから独立した数字でEPSは3年間分しかありませんでした。こちらは売上は順調に伸びてますが、利益の成長率が鈍化してますね。
(USD in Million 希薄後EPSは除く)
売上等の成長率と比較すると希薄後EPSの成長率(54.8%)が突出していますので、この数字をそのまま使うわけにはいけません。決済ビジネスはそれなりの決済コストがかかりますので、ここは総合的な成長率を考慮して希薄後EPS成長率を15%としました。
Facebookは素直に過去3年間の成長率を採用して、Paypalは逆に過去5年間の成長率に下がるのは恣意的だと思われるかもしれません。このような数字のとり方をした理由は後の「4.成長余力」で書きますが、各社のビジネスの成長余力がどれだけあるかを自分で考えて採択しました。
3.5年後の株価予想
(1)Google
8月30日の終値$946.3で買ったとして、黄色の部分は利益が出るところになります。今のPER(約35%)で5年間キープでいれば、年率12.2%で株価は伸びていきますが、利上げ等による相場環境の悪化やGooleの将来性に対する期待が低下してPERが下がると、厳しいものがありますね。しかし、Googleの場合AIなどの新しい技術が花開くなどして期待が高まり、PERが今よりも高くなる可能性も十分ありますが、それがいつになるかは私には予想できません。
(2)Facebook
8月30日の終値$169.92で計算すると、このような形で今の成長率と今のPER38.71倍を5年間キープできれば、凄いことになりますね。
(3)Paypal
(この表を入れるとなぜかバグるので、スクリーンショットの画像にしてあります。小さくですみません)
これも8月30日の終値$61.77で計算してあります。今のPERは約50倍です。今後のFRBの資産縮小や利上げを考慮すると、今後5年間PER50倍をキープするのは難しいかもしれません。なんとかPER35倍をキープできたらようやく4年目以降報われる感じですね。旨味が少なさそうです。
4.各社の成長余力を考える
(1)Google
GoogleはAIを始めとして色々な研究開発をしてます。それが今後どう花開くかがポイントになると思います。ITに詳しくない私ですが、素人考えで更なる成長余力はあると思いますので、この株価予想よりも良い結果が得られるような気がします。言い換えれば、Googleに対してはそのレベルでしか判断できないということです。
(2)Facebook
Facebookは更なる成長余力はあると思ってます。なぜなら、この前の2Q決算資料を見れば分かるのですが、アクティブユーザー当たりの売上が、2016年に北米で凄く伸びたのです。ユーザーは北米よりもEUやアジアの方がずっと多いです。北米での伸びを他の地域へ水平展開できれば、もっと利益を伸ばすことができます。
↓そこらへんのことは、こちらに詳しく書いてあります。
Facebookの決算、私が注目しているポイントは? - Hang in the US MARKET
今、若い人のFacebook離れが指摘されています。それをどうInstagramが補っていけるかが一つのポイントだと思いますが、Instagramも動画広告と相性がいいですので、3年ぐらいは今の成長率がキープできるのでは?と個人的には思ってます。
(3)Paypal
個人的に一番期待していたPaypalですが、こうやって計算してみると今のPERが高すぎるため、今から買っても厳しいものがありますね。
老舗FintechのPayPalが前年同期比26%で成長するワケ | 決算が読めるようになるノート
↑こちらを読めば(有料会員でないと途中までしか読めず、すみません)分かるのですが、Paypalは色々な所と提携して売上を伸ばしてます。しかし、提携するとその分、利益は減ってしまいます。よって、利益の成長余力は今回の予想以上に伸びる可能性はあまり高くなさそうです。もともと決済ビジネスはそれなりに決済コストがかかりますので、利益率は高くありません。決済を入り口として何か利益率の高い新しいサービスが展開できるかがキーになると思います。その期待があるのでPERが高いと思うのですが、いつそれが花開くのか私には読めません。
5.まとめ
株を買う時に皆さんいろいろ悩まれると思いますが、ただ主観的に判断するのではなく、このように過去の成長率から未来の株価を予想して、それを軸にして今後の成長余力を考えて判断すると、正確な判断に近づけそうです。
この先も今までと同じような上昇相場が続くなら、ここまでしなくても問題ないと思いますが、FRBの資産縮小や利上げで金利上昇局面を迎えるとなると、PERが今よりも下がった場合どうなるのかシュミレーションしておく必要があると思います。
私は今Fintechに注目していてPaypalどうかなと思って今回の計算をしてみましたが、やめて素直にFacebookにしようと思います(笑)
成長率の計算方法は↑の表の数字を例にとるとエクセルで=(3.49/0.01)^(1/5)-1と入力すると成長率が出ます。
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