Hang in the US MARKET

日本の将来を悲観して、あえて米国市場で頑張っています

なぜエクソン(XOM)は人気がないのか?今回の決算内容を同業他社と比較して出た私の中での結論

28日にエクソンモービル(XOM)が2017年2Qの決算発表をしました。EPSが予想を僅かに下回ったため、株価が一時$78.27まで下げ、2016年2月8日以来の水準まで落ち込みました。原油価格は2016年2月よりも高いのに、手堅い経営で知られるXOMがなぜここまで売られるのでしょうか?

 

XOMは私のコア銘柄なので、今朝からシェブロンロイヤルダッチシェルの決算発表内容と比較して調べました。その結果、自分なりに出した結論は「経営が堅実過ぎて、今後(良い意味での)サプライズの可能性が低い」(笑)。株は将来上がると思うから買うのであって、上がる可能性が低いものは誰も買いませんよね。

 

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↑今回のエクソンの決算、1年前に比べて文句ないリカバリーをしていると思います。

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↑今年は今のところキャッシュ・フローも問題ないですね。さすがエクソン!

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シェブロンの2Qと今年のキャッシュ・フローは今のところ赤字です。

 

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↑ただ、エクソンは原油生産量が1年前に比べてやや下がっていて、伸びていません。

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シェブロンは1年前に比べて10%近く生産量を伸ばしてます(原油とガスを合わせて)。

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↑これもシェブロンですが、2017通年でも生産量を4〜9%伸ばすとガイダンスしています。

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ロイヤルダッチシェルも「この先これだけ生産量を伸ばして、営業キャッシュ・フローがこれだけ伸びますよ」とアピールしてます。

 

しかし、エクソンの資料には油田開発区の説明資料はありますが、この先の生産量の伸びを示すグラフが出てきません。FTの記事でもエクソンの投資が慎重すぎると指摘されていますが、どうなっていのでしょうか?

 

そこで、エクソンのHPを見ていたら、アナリストミーティング2017の資料に参考になりそうがグラフがありました。

file:///Users/takuya/Downloads/XOM 2017 Analyst Meeting.pdf

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↑2018〜2020年の投資先(予定)を表したグラフです。一番左のグラフの水色部分は3年以内の短期にリターンが得られる投資先を表していますが、バーミアンとバッケンという米国のシェールオイルに結構投資しようとしてます。こららの地域はシェールオイルの中でも低コストで採掘でき、しかも大型油田と違ってシェールは小回りがきくので、需給バランスや原油価格動向に合わせた原油の採掘ができそうですね。

 

でも、シェールオイルは伝統的な大型油田に比べてコストがかかってしまいます。

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↑上流部門の利益の推移ですが、米国部門は今回$183Mの赤字となっています。2016年に比べたら赤字幅は減少してますが、今の原油価格水準だと大幅な利益の増加は望めなさそうですね。

 

エクソンのカンファレンスコールのQ&Aで、この先の原油価格の見通しを今は需給バランスが接近しているが、来年始めはまた供給過剰になると言っていました。シェブロンロイヤルダッチシェルが生産を伸ばしてくるのを見ると、納得できる見通しだと思います。

 

この先も長期的に原油価格の上昇が見込めないなら、XOMの利益も予想以上に大きく伸びることはなさそう、すなわち「期待値が低い=株の人気がない」ということで、私の中で納得できる結論が出ました。(調べるの疲れた〜)

 

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