サウジ・アラムコのIPOに向けてサウジ政府が動き出した!
先月末のOPECの減産合意はサウジアラビアが譲歩して成立しました。
なぜ、譲歩したかといえば世界最大の石油企業と言われているサウジアラビアの国営企業サウジ・アラムコのIPOが控えているからです。
[FT]サウジアラムコ初の財務諸表開示へ、IPO前に :日本経済新聞
当初は2017年か2018年にIPOすると言われていましたが、このFTの記事だと2018年のようですね。
サウジ政府は5%の株式公開で2兆ドルの収入を目論んでいるようです。この収入で次世代に向けたサウジ国内の構造改革「ビジョン2030」を行う予定ですから、失敗するわけにはいきません。これから原油価格を上げていく努力をしていくと思います。世界最大級の産油国ですから影響力はあります。
それにしても2兆ドルとは凄い金額ですね。時価総額世界首位のアップルで6000億ドル強ですから、たった5%を株式公開するだけで2兆ドルとは、世界最大の石油企業の凄さが伺えます。
サウジ以外の産油国のほとんどが、目一杯産油してますので、増産余力があるのがアメリカのシェール企業です。DUCと呼ばれる試削したたけで本格生産するための「仕上げ」前の坑井がアメリカの4大シェールオイルエリアで4000以上あると推測されていますので、原油価格が50ドル以上になれば、これらの「仕上げ」が徐々に行われて、シェールオイルの増産が始まると言われています。よって、当面の原油価格の上値は限られていると思います。
現在のアメリカの石油在庫は、ハリケーンの影響で減っていますが、中期的にどうなるか注目ですね。
(原油相場に関してはこちらのブログが大変参考となります)
シェール企業による原油のヘッジ売りも今後嵩んでくると思いますので、原油価格は一旦押すのではないでしょうか。ただし、サウジを中心とした産油国の動きも気になりますので、前に比べて一段、下値も切り上がって来ると思います。個人的には45ドル位が下値かな?と思っています。
そうなれば長期狙いで石油株の「買い」に動きたいと考えています。今、唯一保有しているエクソンモービル株の買い増しと、広瀬さん推奨のこの3銘柄のうち、どれかを買いたいと考えています。
2年に及ぶ原油価格の下落でふるい落とされたシェール企業の中で生き残った3社を紹介!各社の今後の業績と直近1年の株価の見通しは?|世界投資へのパスポート|ザイ・オンライン
一番肝心なNY株式市場の地合いですが、12月の利上げを織り込んでいるのかいないのか、よく分かりません。7日の雇用統計は予想より悪かったですが、平均時給は上がってますので、物価上昇の流れは変わっていないと思います。
金曜日の雇用統計のまとめ 12月14日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの線が依然濃厚 - Market Hack
よって、12月利上げの可能性は引き続き高いと見ています。
NY市場が短期的なダウントレンドになったらアンダーアーマー(UA)の空売りを狙ってます。
このUAの週足チャートを見ると、昨年9月にピークを付けた後、冴えない展開が続いています。売上はまだ伸びると思いますが、いかんせんPERが高すぎです。米Yahoo FinanceによるとPEGレシオ(今後5年間の予想利益成長率がベース)も2.31倍で一般的に標準だと言われている1〜2倍を超えています。
今年7月以降、50日平均移動曲線へのアタック(赤矢印部分)はいずれも出来高が減っていますので、上昇の勢いは完全にありません。相場の地合いがダウントレンドになれば、株価は32ドル位まで下げるのではと思ってます。