Hang in the US MARKET

日本の将来を悲観して、あえて米国市場で頑張っています

中国リスクを正しく押さえられる良書 津上俊哉氏の「「米中経済戦争」の内実を読み解く」

住宅バブル崩壊や過剰債務問題など、何かと中国経済に対するリクスが言われています。世界第2位の経済大国がコケたら世界経済に大きな影響がでます。

リーマンショック以降株価は順調に上げてきましたが、次に来る大きな調整は中国が原因になるのでは?と思っている方も多いのではないでしょうか?

 

 

新聞で「IMFが中国の過剰債務問題について警告を発した」などの記事を読むことがあり、そのリクスがとても大きいことは理解できますが、その問題がいつ顕著化するのか?その問題を中国政府は抑えることはできるのか?などいろいろ疑問が生じると思います。

 

その疑問に対して最新の情報をもとに答えてくれたのが津上俊哉氏の最新刊「「米中経済戦争」の内実を読み解く」でした。中国経済について不安を煽る本は書店に多く並んでいますが、客観的に考察している書籍は少ないと思います。津上さんの本を読むのは3冊目ですが、どの本も中国経済を正しく理解する上でとても参考になりました。

 

今回の新刊は、保護貿易主義者のトランプ氏が大統領に就任して米中関係はどうなるのか、津上さんがトランプ政権誕生後アメリカに長期滞在して取材した内容も盛り込まれていますので、本のタイトルが「米中経済戦争」の・・・となってますが、内容のメインは中国の政治と経済に関することです。特に共産党一党独裁政権である中国では、政治と経済には密接な関係がありますので、政治についても押さえておく必要があります。

 

中国はリーマンショック後の莫大な財政支出と超緩和政策で国営企業等における過剰な設備投資や不動産投資が進みました。今これらの事業に大きな含み損が含まれ、融資した金融機関に隠れた不良債権が沢山あるのでは?と言われています。この後始末をいかに上手にできるかが今後のポイントになります。

 

しかし、国営企業中国共産党の屋台骨で既得権益の塊です。1期目で腐敗一掃で権力を固めた習近平氏でも国営企業はなかなか切り崩せませんでした。この秋に開催される第19回中国共産党大会が終われば習近平氏の二期目に入りますが、その後の経済運営はどうなるのでしょうか?

 

今後も中国に関するニュースから目を離せませんが、正しい大枠が頭の中にできていないと、ニュースの内容や背景を正しく理解できません。本書は大枠を理解するのにもってこいの本だと思います。

 

ちなみに、私はリーマンショックの時にどん底で持ち株(東レ)をすべて売ってしまい、100万円近く損しました。今では東レの株価は当時の倍です。持ち続けていればと、今でも後悔しています。中途半端にニュースやネットの記事だけで情報を集めて、100年に一度の経済危機という言葉に恐れて売ってしまいました。その時の教訓をもとに投資をする以上、いざという時に売るか売らないか、できるだけ正しい判断ができるよう、投資本だけではなくこのような本も読むようになりました。

EV銘柄に銅鉱山株を加えるべき!お勧めは確認埋蔵量が一番多いサザンコッパー(SCCO)

www.nikkei.com

www.nikkan.co.jp

国際銅協会の見通しほど銅の需要は増えるかどうか分かりませんが、銅はこの先も需要は大きく伸びていきそうです。

 

ところで、需要の伸びに合わせて銅の供給の方は、順調に伸びていくのでしょうか?

気になるグラフを見つけました。銅鉱山への開発資金支出の推移です。

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2011年から急増して供給過剰を招き、需要の約50%を占める中国経済の減速とともに、昨年は銅価格が低迷しました。その影響で2016年は銅鉱山開発資金が2010年と同レベルまで落ちました。

ピークの半分以下まで減っています。

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銅価格は5年前に比べると、まだ安いですね。今年の銅開発資金がどうなるか、気になるところです。

 

銅鉱山は大型油田と同じで開発に時間がかかります。昨年の開発資金の低下の影響が、今後どこかで需給バランスの逆転を招き、供給不足を招くかもしれません。その時に銅価格は大きく跳ね上がるでしょう。

 

そうなった時に確認埋蔵量が一番多いサザンコッパー(SCCO)がもっとも恩恵を受けるのではないでしょうか。

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サザンコッパーの月足チャートです。それほど割安ではないですね。みんな考えていることは同じなのでしょうね。

 

自動車がEV化の方向へ進むのは、ボルボやフランスの動きを見ていると間違いなさそうです。目先のリスクは需要の半分を占めている中国経済の動向ですね。

 

私が信頼している中国ウォッチャーの津上さんの新刊が出たので、早速ポチリました。明日届く予定なのでじっくり読みたいと思います。

 

 

 

 

 

 

私が注目している賃金上昇恩恵銘柄(LGIH)と大統領選恩恵銘柄(USCR)

 

10月の米雇用統計では、賃金の大幅上昇(前年比+2.8%)が目につきました。

 

賃金は順調に上昇しています。

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米10月雇用統計、12月利上げのゴーサイン送る | My Big Apple NY | My Big Apple NYより引用)

 

11月4日の米株相場は9日連続の下落でした。その中で目立った上昇を見せたのが、若い年代向け住宅会社のLGIホーム(LGIH)です。

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(LGIホームの日足チャート)

 

これは9月の住宅契約数が前年同月比で+19.8%、第3四半期では前年同期比で+23%と発表したためです。

LGI Homes reports September and Q3 home closings - LGI Homes, Inc. (NASDAQ:LGIH) | Seeking Alpha

 

LGIホームは以前、広瀬さんが紹介してた会社です。

はじめてマイホームを買うミレニアル世代に焦点を当てたLGIホームは、ヒラリー・クリントンが大統領になったら恩恵をこうむる - Market Hack

 

最近の住宅価格は前年比で約5%の上昇を見せてます。そうなると庶民は低価格の住宅に目が向きますよね。賃金も順調に伸びているし、来年も期待できそうです。

 

www.youtube.com

LGIホームの紹介ムービーです。

若い世代向けの低価格住宅とはいえ、日本人から見るとどれも立派ですね。こんな大きなガレージのある家に憧れますが、田舎に住んでいる私でも、こんな家はなかなか手が届きません。

 

 

昨晩はUSコンクリート(USCR)も7%以上、上昇しています。昨晩寄り付き前に2016年3Qの決算発表を行いましたが、見事に売上、EPSともに予想を下回ってます。それなのになぜ上昇したのでしょうか?

US Concrete misses by $0.12, misses on revenue - US Concrete Inc. (NASDAQ:USCR) | Seeking Alpha

 

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(USコンクリート日足チャート)

 

earnings callの内容を見ると、米国の建設需要は好調で来年も期待できるようです。

http://seekingalpha.com/article/4018968-u-s-concretes-uscr-ceo-bill-sandbrook-q3-2016-results-earnings-call-transcript

 

しかも、ヒラリーさんはグローバル企業の海外においてある内部保留を低い税金で国内に還流させ、その税収をインフラ投資に回す、と言っていますので、今後も期待できます。トランプ氏もインフラ投資を公約してますので、どちらが大統領になっても期待がもてます。

 

どちらも今すぐ買いたくなりますが、まだ買いません。

 

今回ここで取り上げた両銘柄は、ファンダメンタルズ的に以前から注目されていて(住宅価格と賃金の上昇は以前からの傾向で、両大統領候補の公約も前から言われていた)、株価は8〜9月まで上昇していましたが、そこから一昨日まで下げていました。

 

ある意味、両者の株は先導株グループに入っていて、相場全体の下落を見越して早めに売られてきたと私は考えています。それが、昨日のニュースで見直し買いが入った形ですが、大統領選がボトムと読むか、12月の利上げがボトムと読むか・・・

 

私は後者だと思っています。

 

 

 

リバモアはとても参考になる!投資手法だけでなく人生についても・・・

 リチャード・スミッテンの「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」を読みました。この本でリバモアについて初めて知りましたが、多くの投資本に書かれている投資の基本はリバモアが源流だったのですね。

 

この本では、リバモアの一生について少年時代から書かれています。リバモアは何度か破産してますが、大きな失敗をしながら確立した投資手法が、実例をもとに書かれているので、とても身に沁みます。

 

試し玉を入れるとか、損切りポイントでは必ず損切りするとか、絶対守ろうと固く心に誓いました(笑)。

 

また、親切にも巻末に「リバモアの投資の鉄則」がまとめられているので、簡単に何度も復習することができるのもありがたいです。

 

バモアの投資の鉄則は

①タイミング

②資金管

③感情の制御

の3つにまとめられています。

 

これらの鉄則の中で印象に残ったのは①のタイミングの中に書かれている「トレンドが横ばいの時は動いてはいけない」というものです。

 

トレンドが横ばい状態の時に、次に上向きなの、下向きなのか予測することは不可能なので、どちらに動くか分かった段階で動きはじる。そして、一度に買うのではなく4回位に分けてトレンドを確認しながら買い進めよ!としています。

 

バモアは綿花相場で一度破産しています。綿花業界に詳しい人から確かな情報を得て、反転を予想して大きく勝負に出ましたが、予想通りに相場が動かず大損しました。

 

私もファンダメンタルズ的には上がると思って買った株が、思うように上がらず損したことが何回もあったので、この失敗はよく分かります。

 

よって、前回のブログで書いたフリーポートマクマラン(FCX)の株はまだ買ってません(笑)。上昇トレンドに乗るまで我慢です。

 

そもそも米株相場自体が横ばい状態なので、今は米株を買うタイミングではないですよね。次のトレンドが上向きなのか下向きなのかじっくり見極めたいです。ポジションを精算して休むのも重要とリバモアも言っています。でも私は「休む=我慢」なので休むのも疲れますが(笑)。

 

最後に、リバモアは投資で成功して、莫大な財産、豪邸、大型ヨット、美人な奥さん、そして何人もの美しい愛人と、世間の人が羨むものを何でも手に入れましたが、最後は自殺してしまいました。

 

大きな借金を負ったことが表向きの理由ですが、その借金以上の資産も残っていたので、自殺の理由はお金以外のところにあったと思います。

 

人生はお金ではない、ということもこの本は教えてくれます。私も株でひと財産築いたら、次に何を人生の目標としようか?

今から考えたいと思います(笑)

 

 

 

 

 

フリーポートマクマランはターンアラウンドした?

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銅鉱山大手、フリーポートマクマラン(FCX)の日足チャートです。

 

3Q16の決算発表が佳境を迎えてます。マイクロソフト(MSFT)やデュポン(DD)は決算内容が良かったのに株価の上昇が続かず、アマゾン(AMZN)アンダーアーマーUA)は内容にちょっとでも悪いところ(成長減速懸念)があったために、大幅に売られてしまうという厳しい展開だと思います。

 

その中で、3Qの決算内容が売上、EPSともにコンセンサス以下であったFCXの株価が下がりません(笑)。

理由は負債が膨大に積み上がっていて資金繰りに懸念があったのですが、それが後退したからです。

http://seekingalpha.com/article/4014780-freeport-mcmoran-inc-2016-q3-results-earnings-call-slides

(FCXの説明スライド)

 

今回の決算では9月末段階の負債額17.9Bが、銅価格が1ポンドあたり$2をキープすれば、資産売却とコスト削減により、2017年末には10.7Bまで減る見込みだと発表されました。

 

資産売却は4Qに5.2B分が売却予定です。コスト削減は銅1ポンドあたりのコストが$1.74→$1.39へと1年間で$0.35もの削減に成功しています。そしてCAPEXの削減と合わせて、今期ようやくフリーキャッシュフローがプラス圏に戻ってきました。

 

https://staticseekingalpha.a.ssl.fastly.net/uploads/2016/10/6100251_14775817120508_rId6.png

(上のグラフはhttp://seekingalpha.com/article/4016222-freeport-mcmoran-stock-rise-despite-earnings-missより引用)

EPSも2年ぶりにマイナスから脱却です。

 

今後の株価は以下の要因に左右されると考えています。

①銅価格が$2/lbs以上をキープできるか?

②銅の最需要国で現在、元安が進んでいる中国において、第2のチャイナショックの発生リスクはどうか?

③米株相場の地合いが、現状のまま大統領選と利上げをこなしていけるか?

 

①については、長期的には銅鉱山の開発鈍化により、銅の供給減少が予測されています。需要の方は世界経済の成長にリンクしていますので、銅価格の大幅な下落はないと思っています。また、中国の経済対策期待で最近は銅価格が上昇傾向です。そして、来年の中国党大会に向けて経済のテコ入れをするのではないかと言われていますので、②についても何とか12月の利上げをこなしてほしいと願っています。

 

③については、分かりません(笑)。今の決算発表に対する株価の反応を見ている限り、当面の方向性は下向きのような気がしています。

 

よって、FCXの株はまだ買ってません。株価が$11のラインが下値抵抗線となったと判断できた段階で試し買いを入れようと考えています。長期的には株価が$30〜40まで上昇すると思ってますので(笑)、慌てて買う必要はないと思ってます。

 

 

 

 

 

 

 

密かに期待している素材株 アルコアは買いか?

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アルミ最大手のアルコア(AA)が11日の3Q決算発表後、約16%下げました。

 

売上はアルミ価格の低迷を受けて前年同期比で6.5%下がりましたが、リストラなどの経営の効率化が進んで、純利益は3.8倍に増えてます。

アルコア 第3四半期決算発表 EPSは予想に一致、売上高は×、ガイダンスは下がった - Market Hack

米アルコア減収増益 7~9月、1株利益は予想下回る :日本経済新聞

 

ガイダンスが引き下げられたのが嫌気されたのだと思いますが、はたして大口需要国である中国の景気は、この先も低迷するのでしょうか?

 

この前発表された中国の9月の生産者物価指数は前年同月比で+0.1%と2012年1月以来、久々にプラス成長となりました。昨年12月が底で今年に入ってから右肩上がりに上がってます。

【中国】生産者物価指数(PPI) - 経済指標 - Yahoo!ファイナンス

 

貿易統計が悪かったのが話題になりましたが、今一生懸命、元安誘導してますので、そのうち持ち直すのではないかと思います。

「1ドル=7元台」が視野に入った人民元安 :日本経済新聞

 

キャタピラーなどの建機は中国経済が底打ちしたとして株価が堅調です。今後、他の素材株や工業株の決算発表のガイダンスに注目して、アルコアのガイダンスが悲観すぎるのかどうか見極めたいと思います。

 

と最初は単純に考えていたのですが、よく調べるとアルコアのForward PERは何気に46.39倍もあったのですね!

みんな11月1日に分社化されるアルコニック(利益率が高いアルコアの川下部門。)の株が欲しいのでしょうか(笑)

 

そこで、素材セクターの他の企業に目を向けるとデュポン(DD)やダウ・ケミカル(DOW)も株価は堅調でお買い得ではなさそうですし、やっぱり広瀬さんおすすめの銅鉱山のフリーポートマクマラン(FCX)でしょうか。

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FCXの日足チャートですが、最近の銅価格の低迷を受けて下げてますね。今のForward PERは9.86倍です。当面は銅の増産が見込まれているので、低迷は続くと思いますが、下の記事の最後に目を引く記述がありました。

銅相場、アルミも重荷 中国電線市場の攻防 :日本経済新聞

原料の採掘可能年数でもアルミが優位に立つ。銅は採掘可能年数が15年程度との調査結果もあり、資源の枯渇が取り沙汰されている。一方、アルミの原料であるボーキサイトは100年以上と試算されている。

 

銅はあと15年で枯渇する?

良質な銅鉱石が年々取れなくなってきて、銅鉱山の新規開発も遅れているという記事は以前このブログでも紹介したことがありますが(以下のリンク)、15年説は初めて聞きました。

Copper’s $149 Billion Mine Pipeline Stalls as Deficit Nears - Bloomberg

 

やっぱり、フリーポートマクマランは買っておくべき株ですね!

買うタイミングは今ではないと思いますが、ウオッチし続けて頃合いを見てガッツリ買いたいと思ってます(笑)

 

 

 

金利上昇は株価の敵、もし日本で金利が上昇すれば日本の景気は如何に・・・

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アメリカ7〜10年債ETFの日足チャートです。順調に下げてます(=金利上昇)。米10年債の金利は1.774%まで上がってます。

 

金利上昇は株価の下落要因と言われていますので、割高と言われている米株への影響が今後出てくるのか心配です。

 

日本の長期金利が1〜2%位まで上がるなんて想像もできませんが、もし仮に日本で長期金利がここまで上がればどうなるのでしょうか?

 

財政の国債費の割合が増えて、その分の各予算が減らされます。その分の増税社会保障費の一段の負担増が予想されます。

 

そうなれば、財政支出の低下とともに、個人消費も低下して日本は不景気になりますね。

 

そして、何かの拍子に日本国債の下落が始まれば、財政の信任が低下して、国外への資産逃避の増加→円安→物価高→スタグフレーションの悪循環が始まるかもしれません。

 

こうなると、いち早く円資産をドル資産に替えた人が勝ち組になりますね。

 

私が住んでいる三重県の来年度予算は、公債費の増大に伴い一般会計の各予算が前年比で45%カットする話が出ているようです。このニュースを見た時に、将来の日本財政の危機が脳裏をよぎりました。

 

県の来年度予算 政策的経費、4.5割削減 県財政〝冬の時代〟(9月26日伊勢新聞

http://www.isenp.co.jp/news/20160926/news02.htm

 

 

最初は4.5%カットかと思ってましたが、よく見ると4.5割削減。経常的経費(現行の経常的な事務事業や行政水準を維持していくための経費)ではなく政策的経費(新たな事務事業の開始による経費や一時的または臨時的に投入する経費)が大幅削減の対象なので、三重県の景気に対する大きな影響はないと思います。

 

しかし、アベノミクスと称して量的緩和に加えて大幅に財政支出も増やして景気を支えてきた日本。今後、国債費の押されて国の財政支出が減らされていけば、日本の経済はどうなるのでしょうかね?

 

 

 

 

なぜ米株に投資するのか?それはいつか海外からの収益が身を助けてくれると思うから・・・

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今日は秋晴れのいい天気でしたね。私は奈良県三重県の県境にある大台ケ原にハイキングに行ってきました。大台ケ原といえばこの風景、伊勢湾台風でメチャクチャにされた林の残骸です。

 

この木を見て思ったのは、自分が大きな混乱に巻き込まれた時に、はたしてこの木のように倒れずに立っていられるかということでした。

 

(日本国債)小林慶一郎氏・御厨貴氏が語る :日本経済新聞

これは日曜日の日経の記事ですが、近年、日本国債に関する記事を読むと必ず「日本政府の破綻」という言葉を聞くようになったと思います。

 

GDPの2.5倍、国民一人あたりの額が約800万円まで膨らんだ国の借金、いつかは大きく自分の人生の身に降り掛かってくると思っています。

 

それは財政破綻した後に訪れるハイパーインフレかもしれませんし、財政破綻まで行かなくても、消費税が25%まで上がるとか、重税は免れないと思います。

 

国の借金が問題になるのは、国の金利負担が重くなり始めた時、つまり長期金利が上がり始めた時です。

 

金利は信用の裏返しです。信用があれば低金利でお金を借りられますし(土地の建物の担保がある住宅ローンなど)、信用がなければ高利でお金を借りることになります(サラ金など)。

 

日本財政の信頼が損なわれた時、日本社会には伊勢湾台風並の混乱が生じると思います。その時に、この木のように自分は倒れずに生き残れるか、今日はそんな事を考えていました。

 

自分の勤め先は、超ドメスティック企業なので、この混乱に巻き込まれて私の給与は大幅に削減されると思います。その時、助けてくれるのはコツコツ貯めているドル資産。

 

大前研一氏は学生時代、サラリーマンの初任給が2万円台の時に当時の値段で100万円近くするクラリネットを購入しています。どうやって、そんな大金を貯めたかというと、外国人相手にガイドをして、ドルでもらったチップを貯めて購入したようです。

 

1ドル=360円の時代の話ですが、日本の財政への信頼が損なわれると、円資産からドル資産へ移行させる人が増えるから、大幅な円安になるでしょう。輸入品は相当高くなりそうですね。

 

日本が再び貧しくなった時、少しでも今の豊かさをキープするには、海外からの収益がキーになると思います。

 

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この向こうに見えている海は熊野灘です。いつかは来ると言われている東南海地震の予想震源域です。日本を襲う巨大地震財政破綻の引き金を引くのでは?と個人的には思っています。

 

 

 

 

サウジ・アラムコのIPOに向けてサウジ政府が動き出した!

OPEC減産合意、細部に宿る悪魔 :日本経済新聞

先月末のOPECの減産合意はサウジアラビアが譲歩して成立しました。

なぜ、譲歩したかといえば世界最大の石油企業と言われているサウジアラビア国営企業サウジ・アラムコのIPOが控えているからです。

[FT]サウジアラムコ初の財務諸表開示へ、IPO前に :日本経済新聞

当初は2017年か2018年にIPOすると言われていましたが、このFTの記事だと2018年のようですね。

サウジ政府は5%の株式公開で2兆ドルの収入を目論んでいるようです。この収入で次世代に向けたサウジ国内の構造改革「ビジョン2030」を行う予定ですから、失敗するわけにはいきません。これから原油価格を上げていく努力をしていくと思います。世界最大級の産油国ですから影響力はあります。

 

それにしても2兆ドルとは凄い金額ですね。時価総額世界首位のアップルで6000億ドル強ですから、たった5%を株式公開するだけで2兆ドルとは、世界最大の石油企業の凄さが伺えます。

 

サウジ以外の産油国のほとんどが、目一杯産油してますので、増産余力があるのがアメリカのシェール企業です。DUCと呼ばれる試削したたけで本格生産するための「仕上げ」前の坑井がアメリカの4大シェールオイルエリアで4000以上あると推測されていますので、原油価格が50ドル以上になれば、これらの「仕上げ」が徐々に行われて、シェールオイルの増産が始まると言われています。よって、当面の原油価格の上値は限られていると思います。

 

現在のアメリカの石油在庫は、ハリケーンの影響で減っていますが、中期的にどうなるか注目ですね。

(原油相場に関してはこちらのブログが大変参考となります)

油を売る日々

 

シェール企業による原油のヘッジ売りも今後嵩んでくると思いますので、原油価格は一旦押すのではないでしょうか。ただし、サウジを中心とした産油国の動きも気になりますので、前に比べて一段、下値も切り上がって来ると思います。個人的には45ドル位が下値かな?と思っています。

 

そうなれば長期狙いで石油株の「買い」に動きたいと考えています。今、唯一保有しているエクソンモービル株の買い増しと、広瀬さん推奨のこの3銘柄のうち、どれかを買いたいと考えています。

2年に及ぶ原油価格の下落でふるい落とされたシェール企業の中で生き残った3社を紹介!各社の今後の業績と直近1年の株価の見通しは?|世界投資へのパスポート|ザイ・オンライン

 

一番肝心なNY株式市場の地合いですが、12月の利上げを織り込んでいるのかいないのか、よく分かりません。7日の雇用統計は予想より悪かったですが、平均時給は上がってますので、物価上昇の流れは変わっていないと思います。

金曜日の雇用統計のまとめ 12月14日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの線が依然濃厚 - Market Hack

よって、12月利上げの可能性は引き続き高いと見ています。

 

NY市場が短期的なダウントレンドになったらアンダーアーマーUA)の空売りを狙ってます。

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このUAの週足チャートを見ると、昨年9月にピークを付けた後、冴えない展開が続いています。売上はまだ伸びると思いますが、いかんせんPERが高すぎです。米Yahoo FinanceによるとPEGレシオ(今後5年間の予想利益成長率がベース)も2.31倍で一般的に標準だと言われている1〜2倍を超えています。

 

今年7月以降、50日平均移動曲線へのアタック(赤矢印部分)はいずれも出来高が減っていますので、上昇の勢いは完全にありません。相場の地合いがダウントレンドになれば、株価は32ドル位まで下げるのではと思ってます。

 

空売りにチャレンジ?

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S&P500の日足チャートです。

50日平均移動曲線の横ばいが続き、短期投資家にとっては儲けが出にくい相場が続いています。中長期投資家にとっても割安感がないので、買うに買えない面白くない展開が続いてますね。

 

前回のブログで1:2の損益レシオでトレードすれば、仮に4%で切り、8%で利益確定なら、10回のトレードの勝率が5割なら、複利で約20%の利益がでることを書きました。

 

しかしこの先、最近の経済指標を見る限り、S&P500が利上げを乗り越えて新値を更新してズンズン上がっていく展開も予想しづらいと思いますので、「買い」だけで10回もトレードするのはちょっと厳しいかなと思ってました。

 

そこで、今まで「空売り」なんぞはした事はなかったのですが、チャレンジしてみることにしました。米株の個別株の空売りはCFDで行うのが手軽だと思い、さっそくIG証券に口座開設して準備を進めてます。そして空売りならこの本「オニールの空売り練習帳」を読んでます。

 

「買い」はファンダメンタルズテクニカル分析を組み合わせて判断できますが、「空売り」はテクニカル分析だけで判断することになるので「買い」より難しいです。より詳細にチャートを見ていく必要があります。

 

「オニールの空売り練習帳」に沢山載っている「売り」ポイントが示されたチャートは、まさしく「牛さん」に「熊さん」が勝つ瞬間なので、今まで「買い」ばかり意識して見ていたチャートも違う視点から見れるようになって、自分の視野が広がったと、まだ結果も出ていないのにニヤニヤしてしまっています(笑)。